主催 : 股関節研究会
日時 : 2012年1月22日(日)
会場 : 毎日インテシオ 4階大会議室
代表 : 飯田 寛和(関西医科大学 整形外科学 教授)
HP :
内容 : Femoroacetabular Ipingement(FAI)の総論、画像診断、診察手技、手術手技、リハビリテーションについて |
| University of Bern,Inselspitalは今、こう考えている |
北里大学医学部整形外科学
福島 健介先生 |
| はじめに |
FAI:2003年にUniversity of Bern,InselspitalのGanz教授により提唱された。
FAIの原則
●Morphologic abnormality(形態異常)が背景で起こる
●OpeはMorphologic abnormalityを改善する
●病態の正確な把握が重要
→関節軟骨の状態が一番重要(Hip painの改善が第一目的ではない)
●Laxityは基本的に手術外 → PTへ
*LaxityはOpeをしてもよい成績を得られていない |
| 外来の流れ |
問診
現病歴、既往歴
疼痛部位、疼痛動作、ROM、Laxity、理学所見(Impingement sign)
スポーツ歴、仕事内容
国籍 *国籍により術後成績が異なる為
画像所見(X-P,MRA)
精神的評価(+)→リエゾン依頼 |
| Inselspitalの股関節鏡視下手術適応(FAI) |
*手術治療は関節の温存を原則に考え、関節鏡視下手術が適応すれば実施。→かなり限られる。
Surgical dislocationが適応になりにくい
→Pincer typeのFAI
Cam deformityに対する予防的osteochondroplasty
→Opeは形態学的異常を治す(大腿骨頭すべり症)
FAIはjoint preservation目的で行われるべき
→infra articular portalを用いて関節軟骨を損傷しない自信があれば行う。 |
| 第三回 国際股関節鏡学会参加報告 |
金沢医科大学整形外科
福井 清数先生 |
Arthroscopic Autologous Matrix Induced Chondroplasty(AMIC):軟骨欠損に対する鏡視下移植手術
成長因子を含んだコラーゲン組織膜の移植
軟骨欠損の後発部位
→臼蓋、大腿骨前上方に軟骨欠損が多い
●89例実施し、実施後のスコアーは優位に改善を認めた
●軟骨の培養が上手くいくかがポイント |
| 股関節唇修復の重要性−バイオメカニクスの観点から− |
大阪市立大学整形外科
山ア 真哉先生 |
【関節唇の機能】
●関節内の適合性向上(求心位)
●関節表面の増大(22%)
●容積の増大(33%)
【関節唇の特徴】
●幅:約6o,厚さ(前方:5o>後方)
●血流:関節唇自体には少ないが、後方は前方に比べ多い
●関節包側は関節面に比べ血流が多い |
関節唇損傷がある場合・・・
→関節内の陰圧が低下する
→吸引、密着力の低下
→軸圧に対し骨頭の移動量が増える
→部分切除も全切除と同様に不安定感が出る |
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| 診察手技 |
滋賀医科大学整形外科
川崎 拓先生 |
FAIの特徴
●潜在性が多い
●2/3の方が、catching,locking,poping,snappingを感じている。
関節外弾発股との鑑別が大切(特に内側Type)
→腸腰筋腱が鼠径部で引っかかる
この場合、股関節外転からの伸展動作で誘発されやすい
FAIにおける鼠径部痛は約90%、大転子付近の痛みは約70%に見られる |
理学所見
●Anterior impingement test
●Faber test(脛骨粗面と床との距離を測定)
*上記はFAIに多い理学所見となる
●Log roll test(Hip dial test)
→股関節周囲の筋緊張が抜けやすく、陽性であれば関節内病変が疑われる
●Posterior impingement test
●SLR30°抵抗負荷テスト |
世界の有名医師6名が、術前理学所見、関節鏡視所見を比較したところ、診断率は股関節損傷63%、FAI65%、capsuler laeity58%であった・・・
現段階での目標となる診断率ではないか!? |
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| FAIシュミレーションの実際と診断、治療への応用 |
浜松医科大学整形外科
星野 裕信先生 小山 博史先生 |
FAIの診断・治療
X-P(FAI所見あり)→Impingement sign(+)→FAI?
実際に・・・本当に衝突しているのか??
衝突が痛みの原因なのか??
診断:衝突していればどこで・・・?
治療:Pincer type(臼蓋縁切除、股関節唇再縫着)
Cam type(Bump 切除)
どの程度切除すれば、impingementは防げるのか? |
3D解析ソフトを用い、FAIに対してシュミレーションしている
●Pincer type:20°内旋で90°屈曲にて衝突,内旋を強めれば、少ない屈曲角度で衝突
●Cam type:Pincer typeと同様に内旋を強めた屈曲で衝突
→impingeは臼蓋前上方、大腿骨頚部前上方
屈曲・内旋角度を変化させ、衝突する角度、部位を評価
骨のトリミング・形成後のシュミレーションを行い、衝突が回避できるのかを検証している。 |
| MRI T2mapping法による股関節軟骨評価 |
広島大学大学院整形外科
山崎 琢磨先生 |
MRI T2mapping法:関節軟骨に含まれる水分量を反映する軟骨評価法
●関節裂隙 ≠ 関節軟骨の厚み
→関節軟骨の部分損傷の評価が難しい
●MRI T2mappingと関節鏡所見を比較
●軟骨の欠損部では、T2値が高く(軟骨の損傷が疑われる)、MRI T2mapping法は術中所見
と相関していた。
今後Opeの適応、Ope前病期の正確な把握が可能である |
| 感想 |
●股関節鏡の発展が進み、診断、治療技術の向上、術後成績が少しずつ明らかになってきており大変勉強になった。
●股関節痛の解釈として、関節内病変、関節外病変の把握は大切であり、リハビリテーションの有効性もそれにより変化する事が学べた。
●今回この様な研修に参加させて頂いた内田先生、法人スタッフ各位に感謝いたします。 |