前十字靭靭帯 ACL

Arthroscopic Surgery

前十字靭帯の術後リハビリ

手術後リハビリの総論

手術後のリハビリは大きく分けて4段階に分かれます。

1、保護期(0~6週):この時期は患部の安静と炎症を長引かせないためのリハビリを行います。

2、トレーニング前期(6~12週):この期は、日常生活を安定させるために、基礎筋力を強化する時期です。

3、トレーニング後期(3~6ヶ月):2の時期に行ったトレーニングを発展させてよりレベルの高いトレーニングを行い、徐々に競技復帰に向けた特有の動きをリハビリに取り入れていく時期です。

4、復帰期(6ヶ月以降):3で行ったトレーニングの動作を用いて、実際の競技に部分的に参加したり、競技への完全復帰を目指す時期です。

リハビリの流れ

・1〜2週目:消炎創傷治癒段階
最初の1.2週は、手術の影響で、関節が腫れている状態のため安静のために軟性装具を使用します、また、リハビリでは、消炎処置を目的にIcingやリラクゼーションなどを中心に、関節が硬くならないようにリハビリをしていきます。(装具は、腫れが引き次第、硬性装具に変更をしていきます。)

・3~6週目:再建靭帯や処置をした半月板が不安定な時期炎症が引いていればこの時期は、新しく作り直した再建靭帯(ACL)に負担がかからないようにマイルド目な運動やエクササイズを行い、松葉杖での全体重をかけられるようになることを目標にリハビリをしていきます。

・7~12週目:靭帯の成熟・片脚筋力アップ・通常歩行の獲得時期
再建した靭帯は、術後3ヶ月で多少の負荷をかけられるくらいに成熟していきます。靭帯への負荷を考えながら、片脚での動作(スクワットレベル)の筋力アップをしながら、この時期では通常歩行獲得を目標にリハビリを行っていきます。

・3~4ヶ月目:ジョギング開始・筋力チェックの時期
当法人では、術後3ヶ月を経過した時点で、靭帯の緩みがないかを測る機械【以下K T-2000(自費)】と、下肢の筋力を測る機械【イージーテックプラス(自費)】で基準値を満たしている事を医師が診察で確認した上で、リハビリの段階Upと『Jogging)ジョギング』を許可しています。さらにこの時期はJump動作なども徐々に獲得していく時期です。

・4~5ヶ月目:運動療法メインで筋力Upの時期
この時期は、運動療法(エクササイズ)をメインにステップやジャンプなどの機敏な動きができるように身体の機能を上げていく時期です。また、ランニングなどの許可される時期になってくるため、より膝や心肺機能にも負荷をかけていく時期です。

・5~6ヶ月目:高負荷の運動療法4~5ヶ月目で行ったリハビリ内容をよりレベルを上げてより高負荷で、難度の高いエクササイズを行っていく時期です。

・6~7ヶ月以降:スポーツ復帰のための専門的な動きの獲得ご希望のスポーツに復帰するための要素を取り入れたリハビリを行う時期です。行っている各スポーツによって復帰するために必要な身体機能やスキルは異なっている部分がありますので、それぞれのスポーツを専門としているスタッフとも協力をしてスポーツ復帰に向けてのエクササイズを実施していきます。6ヶ月の時点で、再度【以下K T-2000(自費)】、【イージーテックプラス(自費)】の測定を行い、結果が良ければ医師から対人(相手とのコンタクト)が許可されます。

・8ヶ月以降:スポーツ完全復帰6~7ヶ月目でコンタクトの練習をして、身体機能やバランスの安定性を確認した後に、徐々にそれぞれの競技の練習に参加をしていきます。