前十字靭靭帯 ACL

Arthroscopic Surgery

手術のタイミングと適応

手術が必要になる方

手術が必要になる方は、診察で「前十字靭帯断裂」と診断された方です。前十字靭帯が断裂してしまうと、膝の踏ん張る機能が破綻されてしまいます。症状としては、受傷直後に腫れや痛みが出る、腫れや痛みで膝の可動域(膝の曲げ伸ばし)制限がある、日常生活で膝崩れしてしまう(膝がカクンと抜けてしまう)、スポーツ動作でジャンプ着地や切り返し動作で膝に力が入らず踏ん張れないなどがあります。
 

手術をしなくても治るのか

一度切れてしまった前十字靭帯は、血流が少ないため治癒することはありません。そのため、活動量が多い方やスポーツ復帰を目指している方は、手術をすることが多いです。しかし、高齢でスポーツを行わない方、高齢で活動量が少ない方は保存療法を選択する場合もあります。前十字靭帯が一部の損傷であれば手術せずに、リハビリで保存療法を行う場合もあります。治療方針は、診察で医師と相談し決定します。
 

放置すると老後どうなるか

前十字靭帯が断裂すると膝の踏ん張る機能が破綻され、膝が不安定になります。年齢を重ねるごとに、筋力は低下していきます。その状態で日常生活やスポーツをしていると膝への負担は大きくなります。膝への負担が大きくなることで、不安定な膝を安定させようと膝に棘のようなものができたり、O脚変形(図)が早くなると言われています。このようになってしまうと、運動したときに膝が痛くなってしまいます。進行していくと、歩行や階段昇降で膝が痛くなることもあります。また、膝に水が溜まって腫れる場合や膝の可動域制限(膝の曲げ伸ばしがしにくい)などの症状も出ることがあります。