入院・手術

Hospitalization&Surgery

足関節外側靭帯損傷の手術

足関節外側靭帯は、足首の外側にあり安定性を支持するための靱帯で、前距腓靱帯、踵腓靱帯、後距腓靱帯の3つの靭帯の総称です。これらの靱帯と周囲の筋肉が協働して足首の安定性を保ちます。

転倒などで足首を捻ってしまいこれらの靱帯を損傷してしまうことが外側靭帯損傷(いわゆる捻挫)です。3つの靱帯の中でも特に前距腓靱帯を損傷することが最も多いです。
この外側靭帯損傷はスポーツで多く発生する怪我の1つと言われています。しかし、痛みがあってもスポーツ活動に参加出来ることが多いため、関節の不安定さや筋力低下などが残存して再発してしまうことも多い怪我です。損傷の程度が重傷であったり、繰り返しの受傷で不安定性や痛みが強かったりする場合は手術を検討する必要があります。
 

           《足関節を外側から見た写真》

        

→足関節の外来について

手術の適応

医師の問診によりどのように怪我をしたのか、日常生活やスポーツ時に足首の不安定感や痛みがあるかを確認します。その後、外側靭帯が損傷している時に生じる靱帯の緩みの程度をレントゲンやMRIによる画像診断で確認し手術の適応かを判断します。
リハビリの際にも靱帯の緩さや不安定感、筋力などを確認します。

 
《レントゲン画像》 …ストレス撮影という撮影方法で靱帯の緩みの程度を確認します。
      

 
《MRI画像》
         
 


 

手術までの流れ

術前のリハビリでは術後の経過をより良くするために、足関節の可動域訓練や筋力が出来る限り低下しないように筋力トレーニングを中心に行います。また、必要に応じて装具を装着し、日常生活を過ごして頂きます。
手術の数週間前には血液検査などの術前検査や手術内容の説明を行います。
 

 

入院期間、入院費について

3日間:14~17万円(3割負担の場合)
※費用は合併損傷などにより変更することがあります。あくまで目安としてご参照ください。また、高額医療免除の適用となることもあります。詳しくは術前の検査時にスタッフからご案内させていただきます。
→詳しくはこちら

 

 

鏡視下手術について

手術は足関節に関節鏡を挿入して行います。
まず関節鏡や専用器械を挿入するための小さな傷を数か所開けます。
その傷から関節鏡を挿入し、損傷した靱帯の状態などを確認します。
骨棘と呼ばれる骨のでっぱりなどがある場合は、まずその骨棘を削る処置を行います。
次に損傷した靱帯を確認し、糸で縫い合わせます。
全ての処置が終了したら傷を縫って鏡視下手術が終了です。
 
 
          《手術時に開ける傷の位置》
          

              ※合併損傷のない場合は中央を除く2か所です


 

術後のリハビリテーションについて

約6ヵ月の基本的なリハビリメニューがありますが、手術療法や所見に応じて関節可動域訓練、筋力トレーニング等を調整してリハビリテーションを行っていきます。
手術後4週間は足関節の内反という内側に捻る動きは禁止ですが、それ以外の動きは痛みや腫れの程度を確認しながら動かしていきます。
歩行は手術後1日目から可能ですが、初めは松葉杖を使用して痛みや腫れの程度を確認しながら進めていきます。
スポーツは手術後4週目からジョギングを開始し、手術後12週目から復帰を目指します。
 
→足関節外側靭帯損傷の術後リハビリテーション
 

 

よくある質問

Q1.いつからお風呂に入れるの?
A.術創部の炎症症状が収まり、傷が閉じたと医師が判断し抜糸を行った後入ることができます。(約1~2週後)それまでは、患部を防水シールで保護しながらシャワーのみで行います。腫れが強い場合は、温め過ぎないよう注意してください。
 
Q2. いつから普通に歩けるの?
A.基本的には1日目から歩行可能です。ただし、初めは松葉杖を使用して痛みや腫れの状況をみながら徐々に体重をかける量を増やしていきます。杖なしで歩けるようになるまでは1~2週間程と思われます。
 
Q3.退院後、リハビリに通う頻度は?
A.退院当初は、痛みや腫れの状況や傷口に感染がないかなどの確認のためにも週2~3回は通っていただきます。その後は患部の状態に合わせて徐々に頻度を減らしていきます。
 
Q4. いつから仕事に復帰できるの?
A.仕事の内容にもよりますが、デスクワークの場合だと約1~2週から職場復帰は可能です。しかし、痛みや腫れの状況、通勤手段や距離などによって総合的な判断が必要ですのでスタッフにご相談ください。


 

当院の足関節担当医

足関節担当医:森医師
診察日:毎週火曜日、不定期土曜日
→詳細はこちらからご覧ください
 
ver.1 2018.3.11