大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)とは?

FAIとはfemoroacetabular impingementの略です。FAIは股関節を深く曲げた際に、

骨盤と大腿骨が衝突し関節組織を傷つけてしまう病態です。

初期段階は股関節の機能的障害が生じ、寛骨臼と大腿骨頭の求心位が保てずに股関節のバランスが

崩れます。機能的障害により股関節を形成する大腿骨及び寛骨臼に骨棘が形成されることにより

構造的な問題が生じ、インピンジメント症状(衝突、挟み込み)が起き、

関節唇や関節軟骨の損傷や変性が生じます。

インピンジメントを誘発する代表的なテストに前方インピンジメントテストがあります。

股関節を屈曲・内転・内旋した時に痛みや「前がつまる感じがする」という訴えが陽性所見です。

【症状】

股関節の引っかかり感、鼠径部や大腿外側の動作時痛、長時間の歩行や階段昇降時の痛みなどが特徴と言われています。

【分類】

大きく分けて3つに分けられます。

  1. CAM type(キャムタイプ)      


大腿骨の骨頭から頚部への移行部は本来くびれがありますが、

CAM typeでは骨性膨隆のためくびれがありません

  1. Pincer type(ピンサータイプ)

ピンサーとはカニやエビのハサミを意味します。

寛骨臼に骨棘や形態異常があると過剰に大腿骨頭を覆うためインピンジメント(挟み込み)が起こります。

  1. Mixed type

Cam type(大腿骨への病変)とPincer type(寛骨臼への病変)の両方を併発している状態です。

【治療】

股関節痛は約70〜80%が保存療法によって症状が改善します。

保存療法には主にADL(日常生活動作)指導、リハビリテーション、投薬、注射があります。

  • リハビリテーション

    →体幹や脊柱の動きの改善や臀筋の強化、骨盤可動性の改善を行い、股関節への負担を軽減します。

  • 日常生活動作指導

→しゃがみこみ動作や痛みを誘発する動作を制限し患部の安静を図ります。

  • 投薬、注射  

→消炎鎮痛剤の内服、注射により患部の炎症を抑えます。

当院では股関節のリハビリによる機能改善を課題としています。

 →詳しくは疾患別リハビリテーション参照

保存療法を行っても以下のようなケースでは手術療法を行います。

・保存療法、リハビリで経過観察をしても軽減しない痛み。

・股関節の動きの制限が強く日常生活に影響を及ぼしている場合。

・日常生活で症状が改善するが活動性の高いスポーツ競技レベルでは痛みが残ってしまう場合。

・構造的に著明な損傷を受けている場合。

手術では骨膨隆部切除術、股関節唇修復術などが行われます。

Ver1.2017/08/11