第45回長野県理学療法学術大会 発表報告

6月21日に長野県篠ノ井で開催された、第45回理学療法学術大会において

佐久平から2名のスタッフが参加し、発表を行いました。

高橋 健太

右特発性大腿骨内顆骨壊死に対し、自家骨軟骨移植術及び高位脛骨骨切り術を施行した一症例を経験して

今回の口述発表では、右膝内側骨壊死(血が通わなくなって骨組織が死んだ状態)に対して、壊死しているところの修復を促し、

痛みを取り除く自家骨軟骨移植術と、脛骨(すねの骨)を切り膝内側の変形を矯正する高位脛骨骨切り術という2つの手術を同時に行った方の

理学療法について発表させていただきました。

結果は、右膝関節の動きの向上と痛みを取り除くことができました。

手術前と比較して、手術後4週で膝の曲げ伸ばしともに動きの向上を認めました。

手術前の理学療法は、膝への負担を軽減させるために、松葉杖とラテラルウェッジ(中敷のような装具)を使いました。

また、膝周りの筋肉を向上させ、手術後の筋力低下が起こらないように注意しました。

手術後の理学療法は膝の曲げ伸ばしの動きの向上を目的にストレッチを行いました。

今回、大腿骨内顆骨(太ももの骨の内側)の壊死部に対して、自家骨軟骨移植術(MP)と高位脛骨骨切り術(HTO)を行った後、

壊死部の痛みがなくなりその後の理学療法により膝の曲げ伸ばしの動きが向上しました。

今回の手術に対し、筋肉の柔軟性を高めること、筋力をつけることに注目し理学療法を行った結果、

すでに報告されていた発表と同じような結果を得ることができました。

      

       

玉寄 翔太

左肩関節拘縮を呈し関節可動域改善を目的に非観血的関節授動術を施行した一症例

肩関節ROM(可動域)、疼痛(NRS)、JOAスコアを術前、術後1週、術後1か月に実施し、その経過を先行研究と比較しました。

術後の治療内容は物理療法、関節可動域練習、筋力強化を経過に合わせて実施しました。

今回の症例は術後の痛みが強かったため、早期理学療法においては

アイシングやTENS(電気治療)を中心に治療を展開しました。

関節可動域、疼痛、※JOAスコア(肩関節疾患治療成績判定基準)の各項目で術後1週、術後1カ月における改善を得ました。

※JOAスコア(肩関節疾患治療成績判定基準):

日本整形外科学会が制定した整形外科的な身体機能の判定基準として用いられる「評価表」

先行研究と比較し、本症例は術後の反射性疼痛による防御性収縮(痛みによる筋肉の過剰な収縮)の影響から屈曲可動域の改善が乏しかったが、

疼痛コントロールに注意しつつ筋力強化を行った結果、関節可動域の向上が得られ、先行研究と同程度の結果を得ました。

今回の経験から、授動術後の早期理学療法においては術後の反射性疼痛や防御性収縮に注意しながら理学療法を展開していく必要があると考えます。

今回は一例のみの報告だったため、今後は複数の症例で比較検討し経過を追い、術後の成績の向上と患者さんの満足を得られるよう、

更に検証しリハビリテーションを提供できるよう努力したいと思います。

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