疾患に関するQ&A

目次
  1. 腰痛に関するQ&A
    1. ぎっくり腰ってなに?
    2. ぎっくり腰になったときは安静にした方がいいですか?
    3. コルセットは市販のものでもいいですか?
    4. デスクワークで腰痛は起きますか?
    5. 温湿布と冷湿布はどちらがいいのか教えてください。
    6. 腰痛で手のしびれは出ますか?
    7. 腰が痛いときはお風呂に入っていいですか?
    8. 足が攣るのは腰痛と関係ありますか?
    9. 腰痛はないけど足のしびれがある。受診しても大丈夫ですか?
    10. 腰痛でうつ病の薬を出されたけど効きますか?
    11. 自分で電気を当てる機械を買って使ってもいいですか?
    12. 腰痛で救急車を呼ぶ適応は?
    13. 腰痛があるのですが運動してもいいですか?どれくらいの運動ならしてもいい?
    14. マッサージや鍼治療は受けてもいい?
    15. 毎日散歩すれば筋肉はつきますよね?
  2. 首に関するQ&A
    1. 頚部痛と、頭痛や吐き気も出ます。どうしたらいいですか?
    2. 寝違えて首が動きません。どうすればいいですか?
    3. 長年の肩こりを治したいけれど、どうすればよいですか?
    4. ストレートネックは治りますか?
    5. 肩こりでも注射をしてもらえますか?
    6. 交通事故でむちうちになりました。みてもらえますか?
    7. 腕の痺れがあるのですが、みてもらえますか?
    8. 昔の交通事故で首を痛めましたが、今になってまた痛み出すことはありますか?
  3. 腰部脊柱管狭窄症に関するQ&A
    1. 脊柱管狭窄症と言われました。手術しないと治りませんか?
    2. 脊柱管狭窄症は、ほっとくと歩けなくなりますか?
    3. 手術をしたのに、足の裏の砂利を踏んだような感じが取れません。どうして?
    4. 歩いてる途中休まないと進むことができなくなりました。脊柱管狭窄症と関係がありますか?
    5. 手術すれば全て良くなりますよね?
  4. 腰椎椎間板ヘルニアに関するQ&A
    1. ヘルニアは何の検査でわかりますか?
    2. ヘルニアは小さくなったり大きくなったりしますか?
    3. ヘルニアは注射で治りますか?
    4. ヘルニアは大きければ大きいほど危険?
    5. ヘルニアと診断されたことがあるが全然痛くないです。ほっておいても大丈夫?
  5. 骨粗鬆症に関するQ&A
    1. 骨粗鬆症と言われました。何を食べたらいいですか?
    2. 自分でサプリを買って栄養を取りたいのですが、買ってもいいですか?
    3. 骨粗鬆症の検査は、保険適応ですか?
    4. 骨粗鬆症予防はありますか?
    5. 家族が骨粗鬆症ですが、発症する可能性はありますか?
    6. 牛乳を飲めば骨は強くなりますか?
    7. 日光に当たると骨密度は増えますか?
    8. 男性でも骨粗鬆症になりますか?
    9. どんな人が骨粗鬆症になりやすいですか?

腰痛に関するQ&A

ぎっくり腰ってなに?

慢性的な腰痛ではなく、年数回~数年に一回起こるような身動きができなくなる急性の腰背部臀部痛です。立位・坐位・歩行困難になるなど日常生活動作に大きく支障が出る疼痛で、医学的には“急性腰痛症”といいます。原因としては椎間関節亜脱臼、筋・筋膜性腰痛、仙腸関節障害などが多いですが、中には腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症増悪など脊髄・神経根症状を伴う下肢痛が合併することもあります。1-2日の安静で軽快しない場合は、受診をお勧めします。

ぎっくり腰になったときは安静にした方がいいですか?

痛みが強くて動けない時には安静にしますが、必要以上の安静は筋力を低下させて痛みが慢性化するため、痛みが改善してきたらなるべく普段通りの生活を送るように心がけると良いです。ただし、圧迫骨折や感染性脊椎炎など安静を必要とする疾患もあるため、強い痛みの場合には早めに受診をしてください。

コルセットは市販のものでもいいですか?

最近は市販のものも良品が多いですが、背部に支柱が入ったものをお勧めします。医療機関での処方はフィッティングの調整を行ったり、コルセットの巻き方の指導もできます。保険適応となり安価に入手できるため、医療機関での処方がお勧めです。


デスクワークで腰痛は起きますか?

座っている姿勢は立っている時よりも腰の椎間板にかかる負荷が1.5倍に、さらに猫背の姿勢になるとその負荷は約2倍に増えるため、長時間のデスクワークは腰痛や椎間板ヘルニアの一因となります。モニターを自分の目の高さになるように調整し、猫背にならないように背骨・腰を伸ばして、頭が腰の真上にくるように座ることで腰にかかる負担を減らす事ができます。

温湿布と冷湿布はどちらがいいのか教えてください。

結論から申しますと、効果は同じです。多くの方々は「冷湿布は冷やす、温湿布は温める」と誤解しています。実際は、湿布に含まれる成分によって皮膚が刺激されて、冷たい感じがしたり温かい感じがしたりするだけなのです。あくまでも「感じがする」だけで、際立った温度変化は伴いません。
驚くかもしれませんが、冷湿布や温湿布というのは昔の分類で、現在主流となっているのは鎮痛効果を発揮する「痛み止めの湿布」です。昔からの根強いファンがいるので、温感湿布は一部で残っていますが、鎮痛効果は他の痛み止めの湿布と同等です。それを貼ったからといって温めていることにはなりません。むしろ皮膚かぶれを起こしやすいです。
湿布で悩むといえば、薄い布に有効成分を含ませたテープ剤と、白くて柔らかい厚手のパップ剤とがあります。テープ剤は粘着力が強く、関節などの動く部位でもはがれにくいのですが、長く貼っているとかぶれやすいデメリットがあります。パップ剤は厚みがあり水分を含んでいるので、貼った感じがひんやりします(腰に貼る瞬間には、かなり冷たく感じることでしょう)。かぶれの心配が少ない分、はがれやすいというデメリットがあります。この2つは常温保存になり、主成分が同じであれば、効果に差はないようです。ご自身の患部の状態に合わせて、また、貼り心地の好みで選ばれると良いでしょう。

腰痛で手のしびれは出ますか?

解剖学的に腰痛の支配領域である脊髄・神経根では手のしびれは生じません。但し、腫瘍や生理痛、膠原病などの全身性疾患に関連した腰痛と手のしびれは合併する事はあります。


腰が痛いときはお風呂に入っていいですか?

大前提として、体温が37度や38度以上あるときには、炎症性の疾患が疑われますので、お風呂には入らない方が良いと言えます。それ以外では、腰が痛いときにお風呂に入ってはいけないという理由はありません。しかし、着替えるのにかなりの苦痛を伴うような激しい腰痛がある場合には、無理して入浴しないことをお勧めします。慢性の腰痛では、お風呂に入って体を温めることで痛みが緩和される場合があります。

足が攣るのは腰痛と関係ありますか?

足が攣る原因として、脱水や電解質異常(血中のナトリウム・カリウム・カルシウム濃度の異常)や低血糖が知られていますが、腰部脊柱管狭窄症の患者さんもまた足が攣りやすくなります。歩くことが少なくなって下肢筋の伸張性が失われていることや、狭窄部位で神経の異常興奮が起きることが原因と考えられます。就寝前にストレッチやマッサージをしたり、芍薬甘草湯・リボトリールといった足の攣れに効果のある内服薬で予防する事ができます。

腰痛はないけど足のしびれがある。受診しても大丈夫ですか?

足のしびれの原因として、腰部脊柱管狭窄症・腰椎すべり症などの腰の病気、足根管症候群や大腿皮神経麻痺などの末梢神経障害、そして梨状筋症候群などが挙げられます。しびれだけの症状でも当院で診断・治療を受けて頂くことができますので安心してご受診ください。
 

腰痛でうつ病の薬を出されたけど効きますか?

大脳の前方には、DLPFC(背外側前頭前野)と呼ばれる部位があります。DLPFCの機能が低下すると、活力を失いやる気がなくなり、病的な異常をきたすとうつ病になります。DLPFCには、もう1つの機能があり、不安、悲しみ、自己嫌悪、恐怖などの感情をつかさどる扁桃体の活動を抑制しています。この機能が低下すると、不安や恐怖などの感情が強く出てしまい、強いては、過去に感じた痛みの不安をコントロールできなくなり、痛みを感じてしまうのです。この現象を「脳の誤作動」と呼び、現時点で腰痛がないにもかかわらず、過去の腰痛が再現されてしまうのです。このように、DLPFCの機能が低下すると、うつ病が起こることもあれば、脳が誤作動を起こして過去の腰痛を感じてしまうこともあるのです。DLPFCの機能低下を改善する薬剤がセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)で、うつ病と慢性疼痛の両方に効果があります。ですから、慢性の腰痛の患者さんにも、痛みを軽減する目的で抗うつ薬が処方されることがあるのです。
当院で慢性腰痛の患者さん(197名)にSNRIを処方し、その効果について統計をとったことがあります。1日1錠(20mg)で56.3%の患者さんに効果が認められました。1日1錠で効果がなかった人でも1日2錠、3錠と量を増やすことで効果が現れた人もいました。通常の痛み止めとは全く異なる作用機序ですが、腰痛にうつ病の薬(SNRI)は効果があるといえます。(注:急性の腰痛には保険適応がありません)

自分で電気を当てる機械を買って使ってもいいですか?

腰周囲の皮膚に電極を貼り付け、微弱な電流を流す低周波治療器のことと思います。電流が流れると電極付近の筋肉が収縮し、電流が止まると筋肉は弛緩するので、それを交互に連続して行う治療器です。使用は特に問題ありません。副作用として、電流が強過ぎることによる疼痛や、電極を貼り付けるテープによる皮膚かぶれに注意しましょう。

腰痛で救急車を呼ぶ適応は?

安静にして寝ていてもうずくように痛む場合は別ですが、ぎっくり腰ならまず安静にして、自宅で様子を見ていると痛みはおさまります。焦らないことです。腰痛がひどく自分で動けないと、夜間や休日でも救急車を呼んで病院に来院する患者さんがいます。しかし、救急車出動の適応は、命に関わる緊急性の高い患者の搬送ですから、そうでないことが明白な場合には、救急隊や医療スタッフは必然的に冷たい対応になります(適応外で、税金の無駄遣いですから、やむを得ません)。ぎっくり腰で動けない場合に、どうしても医療機関を受診したいのならば、家族に送ってもらうかタクシーを呼ぶなど救急車以外の移動手段を考えるべきです。
消防庁のサイトも参考にされてください。

腰痛があるのですが運動してもいいですか?どれくらいの運動ならしてもいい?

痛みの出ない範囲で運動は継続していただいて構いません。運動後に腰痛が悪化する場合は、運動の内容や強度を変えたほうが良いでしょう。ただし、圧迫骨折や感染性脊椎炎など安静を必要とする疾患もあるため、強い痛みの場合には早めに受診をしてください。

マッサージや鍼治療は受けてもいい?

マッサージや鍼治療は筋肉の緊張を和らげることで腰痛を改善します。ただし、腰痛の原因を取り除く治療では無いため、マッサージ・鍼治療だけでは時間が経過すると症状が再燃してしまいます。そのため、体幹トレーニング・ストレッチ等のリハビリ(理学療法)も併用するのが効果的と考えます。ただし、当院でリハビリを行なって頂いている場合には、健康保険を使って整骨院や鍼治療を受けることはできませんのでご注意ください。

毎日散歩すれば筋肉はつきますよね?

散歩は下肢筋力の維持には有用ですが、基本的には有酸素運動であるため、心肺機能維持や基礎代謝向上によるダイエット効果がメインです。筋肥大を目指すのであれば、階段昇降や登坂、筋トレが必要です。しかし関節への負担も大きく、変形性股関節・膝関節・足関節症の方は疼痛増悪の懸念があり、注意が必要です。

 

首に関するQ&A

頚部痛と、頭痛や吐き気も出ます。どうしたらいいですか?

頚部痛に頭痛や吐き気の症状を伴うことがあります。これを「筋緊張性頭痛」と呼びます。大後頭神経という頭皮の大部分を支配する感覚神経が僧帽筋や頭半棘筋といった頚部の筋肉や筋膜の中を通過しているので、これらの筋の緊張が高まると神経を刺激して頭痛が生じます。治療は、ロキソニンなどの鎮痛薬や筋弛緩薬(筋肉の緊張をとる薬)を内服し、頚部痛が強い場合には頚椎カラーを装着して安静を図ります。また、吐き気を伴う頭痛の中には頭蓋内出血の可能性があるため、今まで経験したことのない激烈な頭痛だったり急な発症の場合には頭部CTで精密検査をすることが必要です。
 

寝違えて首が動きません。どうすればいいですか?

寝違えの正確な原因はわかりませんが、少なくとも外傷(けが)ではなく、病気です。検査を行っても異常が出ないのが一般的です。寝違えが起こった時には、無理に痛い方向に動かさない方がよいでしょう。マッサージも痛みが悪化することがあるので、発症初期にはお勧めできません。ストレッチが有効な場合がありますが、痛みを我慢してストレッチするのは逆効果のことがあります。
医療機関で処方される湿布には、炎症を抑えて痛みをとる薬剤が含まれていますので、痛い部分に貼るのは有効です。痛みが強い時には、鎮痛消炎薬や筋弛緩薬、こむら返りの治療で使う漢方薬の内服も有効です。首の痛みが出ている筋肉や筋膜に局所麻酔薬を注射するのが有効な場合もあります。
 

長年の肩こりを治したいけれど、どうすればよいですか?

肩こり(首こりも含め)にはいくつか原因があります。主に①首のバランス不良(ストレートネックなど)、②五十肩や腱板損傷などの肩関節疾患、③肩甲骨可動域不良などがあり、いずれも根治療法は運動療法が必須です。気軽に御相談ください。


ストレートネックは治りますか?

先日、首の本を書くのに、正常な頚椎カーブのレントゲン写真が欲しくなりました。頚椎の怪我や病気で受診された方以外で、幅広く頚椎のレントゲン写真を探したのですが、ほとんどの方がストレートネックでした。つまり、ストレートネックが必ずしも何らかの症状を起こしているわけではなく、ステレートネックであっても無症状の方もたくさんいるのです。しかし可能な限りレントゲン的にもストレートではなく、正常なカーブであって欲しいものです。そのためには顎を後方に引いたり、上を見たりする運動を行うべきと考えます。ただし、それでストレートネックが改善する保証はありません。それよりも日頃から下ばかり向いて固まりがちな首や背中の筋肉をよく動かして、首の症状が出ないようにすることの方が大切なのだろうと考えます。

肩こりでも注射をしてもらえますか?

当院では、肩こりの原因となっている筋膜のすべりを良くする目的でハイドロリリースという注射を希望者には積極的に行っております。それほど痛い注射ではなく、注射当日の入浴も可能です、大きな副作用もありませんので、安心して治療を受けていただけます。ただし、肩こりはマッサージや注射では一時的に楽になるだけで治りません。自分で首や肩、背中を動かして治すのが本来の治療です。しかし、自分で動かす前にハイドロリリースを行うと、動かしやすくなり、治療効果が増強されます。注射が苦手な人は、無理して注射する必要はありません。  

交通事故でむちうちになりました。みてもらえますか?

むちうちは医学的には頚椎捻挫といいます。足首の捻挫と一緒で、瞬間的に筋肉や腱にストレスがかかり同部位に炎症や損傷を起こした状態です。早期の治療介入は、慢性疼痛への移行を予防する事ができるため、医療機関への受診をお勧めします。
当院ご受診をご検討の場合は、初回に搬送された病院からの紹介状・画像データが必要です。まずはお電話でお問い合わせください。


腕の痺れがあるのですが、みてもらえますか?

上肢のしびれの原因として、脊髄・神経根などの中枢神経由来(頚髄症、頚椎症性神経根症、頚椎椎間板ヘルニアなど)と末梢神経由来(手根管症候群、肘部管症候群など)とあり、その鑑別により治療方針が異なります。また膠原病や糖尿病、電解質異常など全身疾患や胸郭出口症候群などの血管性・絞扼性障害もあり、一度受診をお勧めします。


昔の交通事故で首を痛めましたが、今になってまた痛み出すことはありますか?

 交通事故後の頚部損傷は、初期対応で放置されると首のアライメント不良や筋拘縮が残存し、のちに頚部痛となって痛み出すことがあります。運動療法の介入が必要となることが多く、医療機関の受診をお勧めします。


腰部脊柱管狭窄症に関するQ&A

脊柱管狭窄症と言われました。手術しないと治りませんか?

脊骨の中には、脳から連なる神経が入っているトンネルがあります。そのトンネルが狭くなると脊柱管狭窄症と言われます。狭窄は多くの場合、加齢が原因で起こり、一度狭窄してしまうと手術以外でそこが広がることはありません。しかし、脊柱管狭窄症と診断されても、半数以上の方は投薬や注射、リハビリなどでよくなります。ですから、まずは手術以外の治療を行うべきと考えます。そのような治療を一定期間行った上でも、効果に乏しい場合に手術を考慮します。

脊柱管狭窄症は、ほっとくと歩けなくなりますか?

「歩けなくなる」というのは、脅し文句のように感じています。正確には「歩くのが苦痛になり、だんだんと歩かなくなって筋力や活動性が低下する」だと思います。したがって、ある日突然歩けなくなることはありません。歩くのがつらくなってきたら、早めに治療を受けましょう。

手術をしたのに、足の裏の砂利を踏んだような感じが取れません。どうして?

足の裏は、脳からも心臓からも最も距離がある場所です。したがって、血液、神経、リンパの流れも隅々まで届きにくいのです。そうなると、障害が起こったときの回復も悪い。腰部脊柱管狭窄症で手術した時に、一番治りが悪く後遺症になりやすい症状が足の裏の違和感なのです。どんな名医が手術しても、後遺症で治らない方も多数おられます。その対策としては、足の裏の砂利を踏んだような感じがあるならば、「我慢していないで早めに手術を受けること」もしくは「後遺症として症状は取れないと悟り、症状を受け入れること」のどちらかです。

歩いてる途中休まないと進むことができなくなりました。脊柱管狭窄症と関係がありますか?

しばらく歩いていると足がしびれて痛くなり、立ち止まったり座ったりして少し休むとまた歩けるようになる症状のことを間欠性跛行(かんけつせいはこう)といいます。具体的には200-300mの距離を歩くのに何度も休んだり、団体旅行でみんなと一緒に歩くのについていけなくなる現象があてはまります。これは脊柱管狭窄症に伴う典型的な症状と言われています。 

手術すれば全て良くなりますよね?

残念ながらそうともいえません。手術すれば、20歳の頃の自分に戻れるわけではないのです。痛みと歩行障害は、割と早期に改善しますが、足のしびれや違和感は時間の経過とともに少しずつ改善してくることが多いものです。それでも完全には治りきらずに後遺症として残ることも多いです(特に足の裏)。筋力が低下していることも多いので、手術の後のリハビリは必須ですが、手術だけ受けてリハビリが足りないために症状が残っている方もかなりの数でいらっしゃいます。
 

腰椎椎間板ヘルニアに関するQ&A

ヘルニアは何の検査でわかりますか?

ヘルニアはレントゲンには写らないので、診断にはMRI検査が必要です。MRIは磁石の力を使って身体の内部を見る検査ですので、放射線被曝の心配もなく痛みもありません。ヘルニアの患者さんでは椎間板が後方に突出し、神経を圧迫している像が確認できます。ただし、症状がヘルニアによるものかどうかは、痛みの出る場所や筋力低下・深部腱反射といった身体所見を見て総合的に判断する必要があります。

ヘルニアは小さくなったり大きくなったりしますか?

ヘルニアには、椎間板外側の線維輪を破って椎間板内側にある髄核が飛び出る「脱出型」と、線維輪ごと後方に膨らむ「膨隆型」があります。「脱出型」の場合には白血球の一種であるマクロファージがヘルニアを貪食するため数ヶ月で自然に縮小する場合があります。逆に、痛みのため体幹筋力が不足していたり不良姿勢が続いて椎間板への負担が持続するとヘルニアが大きくなる場合があるため、リハビリを行う事が重要です。

ヘルニアは注射で治りますか?

2018年から「ヘルニコア®︎」(一般名:コンドリアーゼ)という椎間板ヘルニアの治療薬が日本で使用できるようになりました。この薬を椎間板内に注射すると椎間板の中の保水能を低下させることで椎間板内の緊張を減らし、間接的に椎間板ヘルニアによる症状を改善させることができます。現在、ヘルニコアの適応がある患者様は関連病院で手術を行なっておりますので、お問い合わせください。

 
 

ヘルニアは大きければ大きいほど危険?

 ヘルニアが大きくて神経の圧迫が強いほど痛みの症状は強く出る傾向があります。特に大きなヘルニアでは、下肢麻痺や膀胱直腸障害(排尿・排便のコントロールがつかなくなる)の症状が出ることがあります。これらは早急に手術をしないと後遺症が残ってしまう場合があるため注意が必要です。 
 

ヘルニアと診断されたことがあるが全然痛くないです。ほっておいても大丈夫?

症状の無い患者さんでもレントゲンを撮ってみると椎間板の高さが減っていたりMRIで椎間板が膨隆している事はよくあります。検査でヘルニアと診断されても、腰痛・下肢痛等の症状がなければ手術など治療の必要はありません。ただし腰回りの筋力低下や太もも周りの筋肉の硬さがあると椎間板への負担が増してヘルニアが大きくなって症状が出るようになる事があるので注意が必要です。
 
 
 

骨粗鬆症に関するQ&A

骨粗鬆症と言われました。何を食べたらいいですか?

骨の栄養であるカルシウムとビタミンDの含有するものをお勧めします。但しカルシウムは食事で賄うことも可能ですが、牛乳・乳製品・小松菜・鮭などがお勧めです。ビタミンDに関しては、日本人は圧倒的に不足している人が多いため、骨粗鬆症の診断を受けた方は医療用の活性型ビタミンD3製剤の内服をお勧めします。
骨粗鬆症に対する食事治療


自分でサプリを買って栄養を取りたいのですが、買ってもいいですか?

特に問題はありません。但し、骨粗鬆症に効果があるサプリであれば、基本的には臨床試験を経て医療用医薬品となっているため、補助的な役割と認識して使用してください。


骨粗鬆症の検査は、保険適応ですか?

当院では全例、保険適応で腰椎・大腿部近位部DXAを測定させていただいています。ホームページにも記載してありますが、50歳以上の女性、ステロイド内服中の方、婦人科疾患で女性ホルモン補充療法を受けている方、担癌患者の方は気軽にご相談ください。


骨粗鬆症予防はありますか?

20-25歳頃が骨密度のピークと言われており、これを超える骨強度を得るのは困難です。基本的には適度な運動による骨へのメカニカルストレス(機械的刺激)を与える事、天然光にあたり、皮膚下のプロビタミンDを活性化することが予防策となります。


家族が骨粗鬆症ですが、発症する可能性はありますか?

父親・母親の大腿骨近位部骨折は骨粗鬆症リスクの一つと言われています。現段階の骨密度を評価し、これを起点にその後のリスクや予測も可能であるため、医療機関を受診しご相談ください。


牛乳を飲めば骨は強くなりますか?

子供の頃、よく言われましたね。効果がないわけではありませんが、成長期の子供たちとは違い、牛乳を飲むだけでは骨は強くなりません。これに加え、日光浴や適度な運動とのコラボレーションが必要です。


日光に当たると骨密度は増えますか?

増えます。日光に含まれる紫外線を介して皮膚下にあるプロビタミンD→天然型ビタミンDへ変換され、肝臓・腎臓を介して活性型ビタミンD3となり骨へ作用します。この過程で骨密度維持・増加効果があるため、日光浴は重要な行為です。


男性でも骨粗鬆症になりますか?

頻度は少ないですが骨粗鬆症になります。喫煙、飲酒、呼吸器疾患、担癌患者、慢性腎臓病などリスク因子となります。


どんな人が骨粗鬆症になりやすいですか?

女性(閉経後5-10年経過)、内分泌・婦人科疾患早期閉経、やせ(BMI指数<18以下、体重<40kg以下)、大酒家、喫煙、関節リウマチ、糖尿病、ステロイド内服、担癌患者、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病(CKD)などがあります。2つ以上の因子が合わさると更に骨粗鬆症リスクが上がります。気になる方はいつでもご相談ください。
 

 
 
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