平成28年7月2日に京都（メルパルク京都）で開催されました28回日本整形外科超音波学会において、超音波検査装置を用いた「上肢運動時における菱形筋の超音波動態評価」という演題名で口述発表を行いました。

今回の私は、肩関節周囲筋の中でもなかなか活動性を評価するのが難しい、菱形筋に着目し、超音波検査装置で筋の厚さを観察いたしました

MT:僧帽筋中部線維　RHOM：菱形筋　Rib:肋骨

上記の位置にプローブを当て、菱形筋の動作時の筋厚の変化を観察しました。このような体を動かして、筋肉の動きをみるという試みは全国的にもまだまだされておりません。

　　　

最近スマホ使ったりパソコン作業をすることが多いために発生する肩こりや首の痛みは、肩甲骨は開いており、位置が悪いことが多いです。そのため、肩甲骨を背骨に引きつける菱形筋の動きが非常に重要になってきます。

そこで今回は上記の肩甲骨内転に着目した3つの動きをした時の菱形筋の動きを観察しました。

結果として、3つの上肢運動時の菱形筋の働きは超音波でとらえることができました。

今回の研究から肩甲骨内転動作では、教科書的に言われている僧帽筋中部・下部線維の筋活動だけではなく、菱形筋の筋活動もチェックできることがわかりました。このことから、投球障害肩の野球選手や、スマホ使用や、長時間のパソコン作業で菱形筋の働きが低下している患者様を対象として、今回の評価方法が新たな肩関節疾患や肩こりの評価として応用できるよう引き続き測定をしてきたいと思います。

 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

患者様への最良なリハビリテーションの提供を行うため、さらなる研究活動を行っていきます。

（文責　樋口 尚生）