第28回 日本臨床スポーツ医学会学術集会

2017年11月18・19日に東京都国立オリンピック記念青少年総合センターで行われた、
第28回日本臨床スポーツ医学会学術集会において、山田トレーナーが「体操選手に生じた肩甲骨体部疲労骨折の1例」という演題でポスター発表をいたしました。

 疲労骨折とは、一度では骨折が生じない程度の弱い力が、繰り返し骨の同部位に加わることで、骨に小さなヒビができた状態です。

 スポーツなどを通じ、骨や骨に付着する筋肉の腱に過度な負担が繰り返し生じることで発症する場合が大多数です。発生部位は下肢の骨に生じる事が多いですが、上肢や背骨・肋骨にも生じる事があります。走ることが多いスポーツには脛骨(すねの骨)、中足骨(足の甲の骨)、腓骨(すねの外側の細い骨)に発生します。腰椎分離症(こしの骨)も疲労骨折です。

上肢では尺骨肘頭(肘の先端)や舟状骨(手関節の骨)で生じますが、その中で肩甲骨の疲労骨折は非常にまれであり、今回肩甲骨体部外側縁の疲労骨折を生じた体操選手の症例報告をいたしました。

 治療は手術など外科的治療をせず、保存療法を選択し運動制限および体操競技の競技特性を考慮したリハビリテーションを実施して体操に復帰できました。

【図ア】の赤丸で囲っている部分(肩甲骨体部外側縁)に疲労骨折が起き、【図イ】の疲労骨折周囲に付着している筋肉が今回疲労骨折の原因に関与したと考えました。

 今回、同部位の疲労骨折が生じた要因として競技特性が関与している可能性があったことから、選手には体操競技において負担がかかりやすい筋肉を日頃からセルフケアを行うよう指導していく必要があると感じました。

学会で諸先生方にご教授頂いた内容を含め,引き続き研鑽(けんさん)していきたいと思います。

(文責 山田 亮治)

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