7月2日に京都で開催された第28回日本整形外科超音波整形外科学会に参加させて頂きました。
超音波検査装置を用いた急性腰痛における腰部筋の特徴について口述発表を行ってきました。
今回の発表は腰にある多裂筋という筋肉に注目して研究を行いました。
腰痛慢性期に萎縮(筋が細くなる状態)していると言われている腰にある多裂筋ですが,
​急性期から慢性期への移行期に多裂筋は萎縮しているのかを調査しました。

今回の研究の目的は、健常者と比較して腰痛を持っている人の多裂筋の厚さや断面積を超音波検査装置を使って観察することです。

腰部多裂筋は脊柱の安定源と体幹を反らす際の動力源として働く筋肉です。
この筋肉が萎縮していると脊柱の安定性が低下してしまい、不安定な状態になってしまいます。
この状態が続いてしまうと慢性腰痛へとつながるのではないかと考えました。

急性腰痛から慢性腰痛までの移行期には多裂筋の断面積、
厚みは健常人と比較して差はありませんでした。
この結果から今回の期間では筋肉の機能が回復していた可能性があります。
急性腰痛から慢性腰痛までの移行期に腰部、体幹への筋機能改善に対する介入が必要であると考えました。
移行期での筋機能改善は慢性化を防ぐ可能性があり、臨床上有用であると考えます。
腰痛に対しての研究は数多くされてきていますが、まだ不明な部分も多くあります。
今後も研究を継続して行い、日頃の臨床に役立てるように努力して参ります。