第45回長野県理学療法士学術大会での発表報告
6月18日に長野県篠ノ井市で開催された第45回長野県理学療法学術大会において、
本来であれば手術が第一選択と報告されている足関節外果骨折SER-stage3の症例に対し
保存療法を実施し良好な成績が得られた一症例について口述発表を行いました。
本発表の目的は、手術対象と考えられた症例に保存療法を施行し、良好な経過が得られた1例について検討することとしました。
治療方針として、骨癒合(骨折した部分が元に戻る)を優先する
脛腓間離開(下腿にある脛骨と腓骨との間が離れること)を誘発させない
靭帯修復過程(足関節の靭帯が治癒するまでに4~6週間かかるとされている)を妨げない
こととし、以下の点に配慮した理学療法を展開することとしました。
今回の発表では、本来は手術療法が適応とされている症例に対し保存療法を選択し、
骨折の転位が少ないこと、靭帯損傷が軽度であること、骨癒合の期間を考えた理学療法を施行することで
良好な成績を得ることができるのではないかということがわかりました。
しかし、このような症例は珍しく未知数なところが現状です。
手術がしたくない、手術をするには厳しいと悩まれる方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
そういった患者さんが来院された時、少しでも安心してもらい、より良い医療を提供できるよう努めていきたいと思います。