アレックスリハビリテーションコンセンサスミーティング(ARCM)2024開催報告

2024年2月11日(日)にAR-Ex尾山台整形外科東京関節鏡センターでアレックスリハビリテーションコンセンサスミーティング(ARCM)2024が開催されました.本研修会の目的は,医療法人アレックスにおけるリハビリテーションの質を向上させることでした.本研修会では,アレックスの臨床指導を実施していただいている森ノ宮医療大学の工藤慎太郎教授に統括していただき,医療法人アレックスの理学療法士が約20名参加しました.以下に研修詳細を記載いたします.

研修詳細

日時:2024年2月11日(日)
 
会場:AR-Ex尾山台整形外科東京関節鏡センター
 
講師:工藤慎太郎教授(森ノ宮医療大学インクルーシブ医科学研究所・アレックスメディカルリサーチセンター顧問)
 
研修内容:凍結肩,外側上顆炎,伸展型腰痛,大腿骨寛骨臼インピンジメント,変形性膝関節症,足関節外側側副靭帯損傷,足底腱膜炎におけるリハビリテーションのアルゴリズム考案



参加者の感想

l  医療法人アレックスでは,理学療法士の資格にグレード制を導入しています.グレードは1から4まであり,入職時にはグレード1からスタート,法人内の試験に合格するとグレード2,さらに実績を積むことでグレード3,4へと昇格していきます.今回,グレード項目の改定を行い,以前からリハビリテーションにおける超音波評価を重視してきたため,これをセラピストのステータスに加えることを検討しました.しかし,アレックスには約80名の理学療法士が在籍していますが,全員が超音波を扱えるわけではありません.使用経験のないスタッフも多くいます.そこからどのように臨床に活かしていくかを考え始めました.アレックスの臨床指導に関わる森ノ宮医療大学の工藤慎太郎教授との意見交換を重ね,キャリアのあるスタッフを集めて,患者の評価・治療において,超音波評価を含めどのような問題を重視しているかを整理し,それぞれのアルゴリズムを発表してもらうことにしました.そして,他の人の意見も聞き,疾患理解を深める会を目指しました.それが「アレックスリハビリテーションコンセンサスミーティング(ARCM)2024」です.目標は,疾患ごとの評価治療アルゴリズムを作成し,アレックス全体のリハビリテーションの質を向上させることでした.ARCMはその第一歩でした.今回のARCMでは,20名弱の理学療法士が参加し,3つのチームに分かれて6つの疾患について評価治療のアルゴリズムをまとめました.研修会全体の統括は工藤慎太郎教授が行い,サポートとしてTENEXに関するリハビリテーション研究を頑張っている池津真大PTにお願いしました.開催前のアナウンスでは,「もっと事前に準備するように」という促しや,「前提条件を提示しないと議論がまとまらないのではないか」という不安の声もありました.確かに,日常的に他者の意見を聞く機会が少ないため,期待通りのディスカッションができるかどうか不安はありました.しかし,実際にチーム分けしてワークが始まると,チームリーダーが主導し,スタッフの意見を集めながら,日々の臨床での考えを共有・深化させることができました.講演型の勉強会では意見をしないスタッフも活発に話し,同僚の発言にうなずき合う様子が見られ,感動しました.アレックスでは年に1回の法人内学会でしか全施設のスタッフが集まる機会がなく,そこでも活発な意見交換が行われることは少なかったため,互いを知り,理解し合う良い機会となりました.特に印象的だったのは工藤教授による総括で,3チームがまとめた6疾患について,豊富なキャリアとエビデンス,知識をもとに,アルゴリズムを補足しながら整理してくださいました.約4時間の研修会でしたが,これまで参加してきた中で最も学びが多かったと感じます.参加したスタッフにも良い会だったと感じてもらえたら嬉しいです.来年はまた別の疾患をテーマに開催したいと思います.今年のテーマで出てきた超音波評価を基に,実技試験も含めて,アレックス全体のリハビリテーションの質の向上を目指してみんなで挑戦していきます.最後に,研修会への理解と協力をしてくださった工藤慎太郎教授,サポートしてくださった池津PT,そして参加してくださった理学療法士の皆さんに感謝申し上げます.
 
l  今まで臨床で患者さんの主訴や痛みの部位からルーティンで評価していました.しかし,この研修を通じて評価の順番が重要であることを学ぶことが出来ました.エコーを用いた評価の重要性は理解していましたが,具体的にどのような場面で何を評価するべきかを今回のARCMで整理できました.今回学んだことを復習し,臨床での患者評価・治療に活かしていきたいです.また,今回のアルゴリズムを考える形式は,臨床経験の浅いセラピストや実習生の指導にも非常に有意義だと感じたため,現場での指導にも応用していきたいと思います.しかし,エコーで何を見るのか,具体的にどのように評価・計測するのかについて理解していない部分も多く,実際はYouTubeを見ながら見様見真似で実施しているのが実情です.評価の方法などの実技研修も行っていただければ,個人のスキルアップに繋がると思いますので,ご検討いただければ幸いです.本日はありがとうございました.
 
l  今回のミーティングに参加して感じたことは,テーマが疾患名だと様々な要因が影響するということです.例えば,足関節外側側副靭帯損傷をテーマにする場合,急性期と慢性期(CAI)に分ける必要があり,その定義付けに時間がかかりました.そのため,まとめる作業が難しかったです.また,評価や治療の方針をディスカッションすることで,日々自分が臨床で考えていることや他のセラピストが考えていることを統合し,自分の中で新しい考えが生まれたことが良い収穫となりました.
 
l  本日はありがとうございました.普段臨床で考えていることを実際に書き出したり,グループで話し合うことで自分自身の臨床推論で不足している部分が明確になりました.グループディスカッションでは,仙腸関節の関節内をエコーで撮像・評価できることを学んだため,実際に自分も練習してみたいと思います.今回工藤先生がおっしゃっていたように,エコーを使えば1年目のセラピストでも治療方針を判断できるようなアルゴリズムを作っていき,アレックスセラピストのリハビリの質を向上させていきたいです.今回は他施設のスタッフが参加しており,オンライン上でしか話したことがないスタッフとも実際に顔を合わせてディスカッションできたため,非常に有意義な時間でした.今回学んだことを患者様に還元していきたいと思います.
 
l  ARCMに参加して,工藤先生がアルゴリズムの中でどのような目的で超音波を用いているのかを知ることができ,非常に勉強になりました.また,工藤先生がアルゴリズムの限界点やエコーの限界点について言及されたことで,その点を知ることができて有益でした.グループワークでは,普段自分が臨床で考えているアルゴリズムにはなかった視点や考え方に触れることができ,臨床の幅を広げることができたと感じました.今回まとめたアルゴリズムを形にして,自施設の職員がアルゴリズムに沿った臨床を展開できるようにすることがグレード3スタッフの仕事であると思います。そのため,今回学んだことをリハビリスタッフへ伝達し,臨床でアルゴリズムが使用されるシステムを作っていきたいと思います.また,工藤先生のアルゴリズムにあった超音波評価内容について練習を行い,より根拠を持って医師とディスカッションができるようにしていきたいと思います.
 
l  普段,経験年数のある先生方と意見交換する機会が少ない中で,意見や考えを聞くことができ,自分の臨床での考え方を見直すことができました.私のグループのテーマは変形性膝関節症と足底腱膜炎でした.変形性膝関節症に関しては,グループワークを通して自分の考えていたことが他のセラピストの考えと共通する部分が多く,自信につながりました.足底腱膜炎では,自分の評価・治療は曖昧な部分がありましたが,グループワークで色々な意見を出し合ったことで少し明確になりました.今後も自分の考えを整理するためにもフローチャートを作成したり,様々な先生方との意見交換もしていきたいと思います.また,自分自身のエコースキルを向上させつつ,患者さんの治療に活かせるように精進していきたいと思います.今回ARCMに参加させていただいて,充実した内容で貴重な時間でした.次回もこのような機会があれば参加させていただきたいと思います.
 
l  ARCMに参加して,他の参加者と臨床における思考過程を共有できたことは非常に勉強になりました.私が参加したグループのテーマは,上腕骨外側上顆炎と足関節外側靭帯損傷でした.上腕骨外側上顆炎に関しては,司会を務めて参加者の意見を引き出すことが難しく,自分本位の考え方になってしまったことを反省しています.参加者それぞれに考え方の違いがあるものの,共通した部分も多く,異なる角度からテーマの疾患について学べたことは非常に有意義な時間でした.足関節外側靭帯損傷では,一参加者として司会とは異なる角度からディスカッションができたと感じています.普段対応している疾患でしたが,参加者それぞれの視点で評価・治療計画の立案が大変参考になりました.また,普段接することや話す機会がないスタッフとのディスカッションは刺激になり,明日からの臨床に生かしていきたいと思います.
 
l  コロナ禍で入職したため他施設のPTに会う機会が少なく,今回のARCMでは他施設のスタッフと直接会って臨床での思考過程をディスカッションできてよかったです.日頃からフローチャートで考えることを心がけていますが,アウトプットする機会が減っていたため,良い経験となりました.また,工藤先生からの講義や指導を受けられること,さらには工藤先生が考える評価・治療のフローチャートを提示していただき,大変勉強になりました.定量的に評価するツールを常にアップデートされており,どのようにしてその情報を得ているのか非常に気になります.臨床研究においても今回のような勉強会があれば,ぜひ参加したいと思いました.
 
l  ARCMに参加して,日々行っている臨床の評価内容や介入の順序を整理することができました.経験年数のあるスタッフ同士で話し合うことができたため,お互いの考え方や背景にあるエビデンスをディスカッションすることができる貴重な機会となりました.具体的には,各疾患における評価や治療のステップの進め方を順序立ててフローチャート形式にまとめる作業を行いました.各疾患の病態をより詳細に把握するためには,順序立てた評価や超音波画像による評価が必要不可欠と感じました.疾患によってはもっと考え方を深めなければならない点や,臨床研究をしていてよく分かってきたこと,まだ分かっていないことなども整理できたため,患者さんへの説明や後輩育成に活かすことができると感じました.スタッフ間で症例に関して話し合う際も,今回作成したフローチャートを大前提として話を進めることにより,足りていなかった評価を理解しやすいと感じました.足りないと感じた部分は,勉強して知識を補填したり,エコー評価や整形外科的テストを練習することで,一定基準の理学療法を提供できるようになると感じています.フローチャートに沿って評価・治療を行なったものの,症状が残存している場合は,より医師とのコミュニケーションを重視し,どのような介入が効果的なのかを新たな視点で探求する必要があると感じました.
 
l  アレックスグループ全施設からAR-Ex尾山台整形外科に集まり,Zoom上でしかお会いできない先生方と直接ディスカッションを行い,新鮮で刺激的なミーティングとなりました.私はARCMで,患者様の悩みを解決するための効率的な思考過程を再構築することができました.今回のARCMでは,患者様の診断名や疼痛部位から原因組織の抽出,治療に至るまでの思考過程を,森ノ宮医療福祉大学の工藤先生を中心に,他の施設のスタッフとディスカッションしました.ディスカッションを通じて,自分の考えとは異なる思考過程や,同じであっても優先順位の違いなど,新しい考え方に触れることができました.さらに,理学療法士として治療を効率化するために必要なエコーの活用方法や,論文ベースの客観的評価方法についても学ぶことができました.今後は,ARCMで得た新しい思考過程を活かし,効率的な治療を患者様に提供していきたいと考えています.
 
l  今回のARCMに参加して,さまざまな臨床経験を持つリハビリスタッフと,日々の臨床で行っている思考過程を言語化・可視化し,臨床推論のアルゴリズムを共有できたのは貴重な経験でした.皆と同じ思考過程で評価・治療ができていた部分と,これまで評価できていなかった部分が発見でき,自身の思考過程を整理してアルゴリズムを作成する良い機会となりました.また,エコーを用いて評価を行うことで,シンプルかつ詳細に評価・治療を行えることを学んだため,明日からの臨床に生かしていきたいと考えています.今後は,今回作成したアルゴリズムを基に,それぞれの疾患に対するアルゴリズムを作成し,自施設内のスタッフに共有・教育を行うことで,リハビリテーションの効率化やより高い水準のリハビリテーションを提供できるようにしたいと考えています.
 
l  今回の研修会で,工藤先生の凍結肩に対する臨床的な思考過程をまとめたフローチャートがすごく端的にまとめられており,自分の思考過程を言語化することの重要性を改めて実感できました.また,グレード3以上のセラピストと疾患ごとに臨床でどのような評価を行っているかをディスカッションすることで,自分に足りない点を多く気付くことができました.今後も定期的にこのような会を設けていただき,様々な疾患のフローチャートを作成することで,私自身の勉強にもなり,さらに後輩指導をする際にも有意義なものになると感じました.また,研修会以外でも,臨床的によく診る疾患を自分なりにフローチャートを書き出すことで,知識の整理や不足している点を再認識することができると思うので,日頃から行っていきたいと思います.その作業に合わせて論文などを読み込むことで,さらにエビデンスに基づいた医療を提供することができるようになると考えていますので,日々研鑽していきたいと思います.今回は,このような研修会を企画していただき,ありがとうございました.
 
l  ARCMでは,日常の臨床でよく経験する6つの疾患に対して,参加したPTがどのように臨床推論過程を経て治療を行っていくかアルゴリズムを考えました.また,作成したアルゴリズムについて講師である工藤慎太郎先生からフィードバックをいただき,工藤先生はどのようなアルゴリズムで治療を行っているか教えていただき,大変有意義なものになりました.参加者の先生方とは普段別の施設で働いており,常に密な意見交換を行えるわけではないので,他の先生方が日常の臨床でどのような考えで評価・治療を行っているかを聞くことができ,非常に興味深く,楽しくディスカッションすることができました.普段行っている自身の治療も,言葉にして書き出してみると,うまく言語化できない部分があり,そういった所を追求していくことで,より質の高い医療を提供できるようになるのではないかと新しい気づきを得られた研修会でした.
 
l  普段臨床で考えて実施している評価・治療の流れを文字に起こしてみて,自分の考えを整理することができました.自分の考えをアウトプットした上で工藤先生や他の先生が考える治療アルゴリズムを知ることにより,共通している点があったり,もっとに細かく見ている先生がいたりと,興味深い発見が多くあるディスカッションでした.工藤先生が説明していたアルゴリズムは比較的シンプルであり,エコーを用いて定量的に評価していたため,評価がしっかりとできれば治療選択がスムーズになると感じました.また,工藤先生がおっしゃっていた「1年目でもエコーが撮れれば治療選択ができるようなアルゴリズム」は非常に重要だと思いました.今後は,自分でも各疾患ごとにアルゴリズムを考えてみて,他の先生とディスカッションしながら,よりシンプルでシステマティックなアルゴリズムを作成していければと思います.来年度の開催時には,より深い議論ができるように,普段からスタッフ間でディスカッションやエコーの練習をして臨みたいと思います.