肉離れ(ハムストリングス)
肉離れとは
肉離れとは 筋が過度に引き伸ばされたり、筋肉が縮んだ状態から引き伸ばされた際に筋肉繊維の一部が切れたり(部分断裂)、完全に切れたりすることです(完全断裂)。関節を二つ以上またぐ筋肉(ハムストリングス=大腿部の後面の筋など)に多く起こると言われています。
肉離れが起こる原因
・筋肉の疲労
・筋の柔軟性低下
・ウォーミングアップ不足
・大腿部前面と後面の筋力のバランスが悪い(大腿四頭筋とハムストリングス)
・間違ったランニングフォーム など
どんなスポーツに多く起きるか
・陸上(短距離走のフィニッシュ時や疾走時)
・サッカー
症状について
肉離れが起きた時は、鋭く、力が抜けるような痛みが出ます。
場合によっては「プチッ」と筋が切れたような音が聞こえることがあります。
また、痛みがない側の腿と比べると、腫れや皮下出血を確認できます。 また、筋肉を押した時や力を入れた時に痛みがあります。
完全断裂など損傷が重症の場合は、歩くことが困難になることがあります。
筋肉を触ると、断裂した部分の凹み(陥凹)を確認できることがあります。
診断について
筋肉を押した時の痛みや腫れ、皮下出血の有無、健側と比較した太腿の太さ(大腿周径)に左右差があるかを確認します。また、膝を曲げる力が低下していないか、大腿後面のストレッチ(ハムストリングスのストレッチ)で痛みが誘発されるかをチェックします。 また、外来の診察では超音波診断装置(エコー)を用いて、血腫の有無や、筋繊維の連続性を確認することで診断をします。さらに細かく損傷の度合や回復具合を調べる方法としてMRI撮影があります。
※疼痛誘発検査:左大腿後面のハムストリングスのストレッチ治療について
受傷初期の頃は、RICE処置(安静、冷却、圧迫、拳上)を行い、炎症を抑え、患部(断裂部分)の安静をはかり筋組織の回復に努めます。 歩行が困難な場合は松葉杖を使用して荷重を避けます。 炎症が落ち着き、押した時の痛みや腫れ、皮下出血、大腿周径の左右差、ストレッチでの痛みが軽減したことを確認し、筋力強化やストレッチングを開始し筋力や柔軟性を回復させていきます。 スポーツ復帰には、押した時の痛みやストレッチをした時の痛みがなくなっていること超音波検査で血腫がなくなっていることが復帰の目安となります。 また、完全断裂に関しては外科的に修復を行う場合があります。
*肉離れの治療は、損傷の度合いによって異なります。痛みがある場合は自己判断せず、医療機関を受診しましょう。
*詳しい手術やリハビリテーションに関しての情報は今後、掲載いたします。
肉離れ 担当医
外来担当日
毎週金曜日 午前