膝前十字靭帯損傷の手術について:その後のリハビリの重要性

ACL(前十字靱帯)再建術
最高の前十字靱帯再建によるさらなる完全なスポーツ復帰を目指して
ACL(前十字靱帯)再建術のキーポイントを説明していきます。
基本的に現在の日本中で行われている再建法は大腿骨の骨穴が前に作られているために制動力不足や再断裂が起こる確率が高くなると考えているとお話ししました。今回その大腿骨の穴の位置をさらに確かめるために3DCTを駆使して挑戦していきます。
我々アレックスグループが施行している再建術の大腿骨の穴の位置です。
この位置には残念ながら一般的に施行されているACL再建術(inside-out)の術式では不可能な場合が多く認められます。
様々なスライスから再建した靭帯の方向を確認していきます。
まずは最高の再建靭帯を作成することを目指します。
その次に大切な個々人にあったリハビリテーションを作成するのです。
なぜリハビリテーション??
丈夫な靭帯を再建してもその靭帯を守る役割をする身体機能をつけなければスポーツ復帰は不可能と考えられています。再断裂すら引き起こしてしまう可能性すらあります。再建した靭帯がしっかりと機能するには他の(筋力など)身体機能の整備が必要不可欠となります。靭帯が成熟するには期間も非常に大切なことですが、それだけではより良い術後成績は獲得しづらくなります。

その身体機能を身につけていくことがリハビリテーションなのです!

具体的に身体機能とは筋力やバランス能力、柔軟性などです。しかしスムーズで安全な形でのスポーツ復帰を可能にするには患者さんや選手の個々に合ったリハビリテーションプログラムをパーソナルという形で作成する必要があります。
なんで切れてしまった??
ACL損傷の大半は下の絵のように非接触(物や人にぶつかった事による損傷ではない)による靭帯の断裂が大半を占めます。よってACL損傷の根本的な原因は患者さん、選手自身の身体的原因によるものが大きいと考えられています。
例えばACL損傷は下の図のように膝が内に入ってしまった状態(Knee in)での損傷が大半を占めます。この状態にしてしまうのは膝が内側に入ってしまった脚の股関節周囲の筋力不足、または腹筋・背筋の筋力低下によっても起こるといわれています。
その他にも多くの原因が考えられます。1つだけの原因ではありません。患者さん、選手とともに様々な考えうる原因を解明し、1つ1つ解決していきましょう。
2013/3/3
AR-Ex 尾山台整形外科
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