肩関節機能障害に対する機能解剖学的運動療法 参加報告

肩関節機能障害に対する機能解剖学的運動療法

研修内容紹介
本研修では座学・実技を通して上腕骨頭求心性改善のための運動療法を系統的に学びました。
林典雄先生曰く、肩関節障害に対する治療目的は上腕骨頭求心性の改善に尽きるとのことでした。
求心性を保ち適切に筋収縮を誘導することで、主動作筋の賦活・拮抗筋の弛緩を生じさせることができます。研修を通して求心性を乱す要因を抽出する評価方法や改善する徒手療法の技術習得を目指しました。また肩甲帯機能不全へのアプローチとして、僧帽筋中・下部への運動療法を学びました。
研修詳細
1. 実施日時/期間 2024年2月10日~11日

2. 会場 ヘリテイジ浦和別所沼会館大会議室 埼玉県さいたま市南区別所4丁目14-10 

3. 講師紹介 林典雄先生(運動器機能解剖学研究所)

4. 研修項目・内容 
【上腕骨頭求心性改善について】
上腕骨頭の求心性を保ちながらの運動療法では上腕骨小結節・大結節と烏口突起との位置関係を把握すること、それぞれの腱板の立体的な走行を考えて徒手操作を行うことが大事です。適切な位置関係のまま腱板の走行を意識して骨頭の軸回旋を生じさせることで、主動作筋の賦活と拮抗筋の弛緩を反射機構を通して生じさせることが可能です。この位置関係を崩して軸回旋を行うと、骨頭の軸ずれが生じて過剰な筋緊張を誘発させてしまうため注意が必要です。

【肩甲帯機能不全について】
林先生曰く、肩甲帯機能不全とは「僧帽筋中部・下部線維が適切に機能しないために過剰な肩甲骨前傾が生じていること」とのことでした。肩甲骨の前傾は小胸筋・前鋸筋・肩甲挙筋の筋緊張を高めてしまい、その結果不良姿勢や筋力のアンバランスを引き起こしてしまいます。そのような場合は拮抗筋にあたる僧帽筋中部・下部の運動療法を行うことで、緊張の高い筋のリラクゼーションを図ることができます。

5.感想 今回の研修を通して、人体を3Dで把握することの大切さを痛感しました。肩関節周囲の解剖図をイメージする際に今までは解剖書の2Dのイメージを強く持っていましたが、実際に骨・筋肉のトレースをすると実際の解剖学的位置と自分の中のボディイメージの差を感じました。実際の解剖学的な位置とイメージの差は臨床での治療成績に直結します。特に肩関節は構成される軟部組織が他関節に比べて多く、臨床ではより正確なイメージを持った治療が必要とされます。技術見学では林典雄先生の治療技術に圧倒されるとともに、基礎的なことを高次元で行うことで理学療法の質は数段上がるのだと思いました。この貴重な経験を糧にして、今後自分の中の理学療法をアップデートして臨床に努めていきます。



上田整形外科内科 佐藤英寿
関連記事

AR-Exグループ クリニック