足底腱膜炎
足底腱膜について
足底腱膜は踵(かかと)の骨から足の指へ広がる強靭な腱の膜です。足の土踏まず(縦アーチ)を支える重要な役割があり、歩行・ランニングなどの荷重時にスプリングのように、地面と足部の衝撃を和らげるクッションとして働きます。
足底腱膜炎とは
上記のアーチ構造が崩れると、足底腱膜が過剰なストレスが加わることにより、足底腱膜に微細な損傷や炎症が発生し、足底部の痛みを生じます。
足部の形状も重要で、扁平足やハイアーチ(甲高足)に症状が起きやすく、オーバーユース、硬い路面、クッション性の低い靴の使用頻度が高まることによって症状を生じることもあります。
また足底腱膜自体ではなく、ふくらはぎの硬さ、足に合っていない靴の使用なども関係することがあります。
足底腱膜炎の症状
スポーツや長時間の歩行などにより、荷重時に踵に痛み生じます。特徴的な症状としては朝起きたときの1歩目に強い痛みを感じることがあります。踵の裏の押すと痛みを感じます。
診断方法
スポーツの頻度・練習量やグラウンド状況(アスファルトか芝など)、勤務している人には仕事の内容(移動時の歩行距離、使用している靴など)を聴き、痛みの出る部位を確認します。画像診断ではレントゲンで踵の骨棘を確認します。また超音波診断機器やMRIを使用し、炎症の部位や腱の変性の有無を確認します。
治療
急な痛みに対しては局所の炎症を抑えるために局所の安静が必要です。運動量の高い人は練習内容の変更を検討します。
治療としては足底腱膜・ふくらはぎのストレッチや物理療法(超音波治療や電気治療など)を行い、痛みの軽減と柔軟性の改善をはかります。スポーツ現場では、テーピングやインソール(足底板)使用することによってストレスを和らげます。
多くは上記内容を行うことで症状が軽減しますが、それでも全体の1割では、症状変化に乏しく、難治性で痛みが残ってしまいます。その場合には、体外から衝撃を与える体外衝撃波治療があります。