足関節捻挫
足関節捻挫とは?
捻挫と言うと軽いものと思われやすいですが、靭帯の損傷です。 バスケットボールやバレーボールのジャンプの着地ミス、サッカーなどのグラウンド競技では、ぬかるみや凹みに足を取られて受傷することがあります。また日常生活でも段差につまずいたり、雪道で滑って捻ることで靭帯損傷が起こることがあります。
症状
足関節を内側に捻ってしまうこと内反捻挫と言います。ここからは内反捻挫について解説していきます。 内反捻挫(以下靭帯損傷)では主に前距腓靭帯の損傷がメインです。外くるぶしを中心とした腫れや痛みがあり、押した時にさらに痛みを強く感じます。程度によっては青あざ(皮下出血)を伴い、体重をかけるのも困難な場合もあります。 子供の場合は靭帯が柔らかいため、靭帯が引き伸ばされる時に骨折を伴うことがあります。
診断方法
靭帯を押して痛みがあるか、靭帯がどの程度緩んでいるか、関節を動かしながら確認します。レントゲン検査で骨折がないかを調べます。また前方に引き出しながらのレントゲン検査では足関節の不安定性がないか確認できます。超音波画像診断ではレントゲン検査には映らない靭帯の損傷の程度を診ることができます。
靭帯損傷の程度によってⅠ~Ⅲ度に重症度を分けています。
内反捻挫の靭帯損傷の程度(Freyの分類)
- Ⅰ度 前距腓靭帯・踵腓靭帯正常
- Ⅱ度 前距腓靭帯・踵腓靭帯の部分断裂
- Ⅲ度 前距腓靭帯・踵腓靭帯の完全断裂
治療
Ⅰ度、Ⅱ度の靭帯損傷ではR.I.C.E(Rest:安静、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)処置を行います。腫れが軽減し、体重をかけても痛みが生じなくなってきたらリハビリを行います。
復帰まではテーピングやサポーターも使用し徐々に運動レベルを高めます。
Ⅲ度損傷では靭帯の断裂が生じているためギプス固定と松葉杖を使用します。それでも足関節のぐらつき(不安定性)が残り、日常生活やスポーツ活動が難しい場合は手術を行うことがあります。
日常生活復帰、スポーツ復帰までのリハビリテーション
たかが捻挫と軽くみてスポーツに復帰すると慢性的に痛みが続いてしまうことや、再度靭帯損傷を繰り返すことがあります。シーズン中に痛みが強くてベストな状態で大会に出れない…という事のないようにリハビリテーションを行いましょう。リハビリテーションは状態に応じて物理療法、運動療法を行います。物理療法は主に腫れや痛みを軽減させる目的で行います。運動療法は足首の柔軟性の改善、痛めた靭帯の補助となる筋肉のトレーニング、再度受傷しないような全身のバランストレーニングを行います。
手術について
AR-Ex尾山台クリニック(東京)で手術を行っています。靭帯縫合術では日常生活の復帰に約1ヶ月、スポーツ復帰に約3ヶ月を要します。