扁平足障害とは

足部には、重心の安定性を高め、歩行時の蹴りだす力を増し、さらに衝撃を吸収する働きがある「アーチ」という構造があります。縦アーチ(内側・外側)と横アーチがあり、土踏まずの形状もこのアーチによって作られています。
正常なアーチは地面からの衝撃を効率よく吸収していますが、アーチが崩れることにより地面からの衝撃が足に大きくかかり、歩行や運動の繰り返しにより痛みが生じることがあります。

症状

歩行や運動の繰り返しにより、足底に徐々に痛みが出現します。症状が強くなると安静時の痛みや腫れが出現し、歩行がままならないこともあります。

診断

歩行や運動に伴った足底部の痛みや腫れを認めます。
また、立位による足のレントゲン画像でアーチの低下を認めます。

治療

痛みなどの炎症症状が強い時期

アイシングや物理療法を積極的に行い炎症の軽減を図ります。痛みが強い時期に継続して運動を行ってしまうと痛みの改善が図れないため、ランニングやジャンプなど直接足底に負荷がかかる運動は控えます。

痛みが治まってきた時期

歩行時の痛み、足底を押した際の痛みがなくなった段階でテニスボールやゴルフボールを使い足底の筋肉のストレッチを行い柔軟性の獲得を図ります。また、アーチの補助として働く筋肉や足底に付着する筋肉はすねやふくらはぎから繋がっているものもあるため、すねやふくらはぎのストレッチも重要です。

競技復帰時期

足部の機能改善のみにならず下肢や体幹含めた全身の機能改善をはじめとし、ランニングフォームや競技動作の改善を図ることで足部の負担の軽減および再発防止に努めることが必要です。アーチの低下が明らかな場合はテーピングやインソールの使用によりアーチを上げることも治療の一つです。