シンスプリント
痛みが強くなるとどうなるの?
一般的に、骨の表面周囲の症状で治まる「一般型」と、骨の中にも異常が生じている「重症型」に分けられます
【一般型】
ふくらはぎ内側の骨の縁もしくは骨の後ろ側の筋肉の痛みがあり、蹴り出し動作での痛みが出現します
【重症型】
ふくらはぎ内側の骨の縁もしくは骨の縁より前面に痛みがあり、踏み込み動作で痛みが出現します重症型では運動を休止し、安静期間が必要になります
なにが原因で痛くなるの?どんな症状がでるの?
最近では、MTSS(Medial tibia stress syndrome)という「症候群」として認識されています
スポーツが原因で生じる下腿の痛みの中で最も多い疾患で、運動によってふくらはぎの内側の中央からくるぶし辺りまでの痛みが生じます
症状が出現する原因は、
①走る際に、ふくらはぎの筋肉(ヒラメ筋・長趾屈筋)が引っ張られたり、擦れることが原因となる説
②足を着く際に、足にかかる体重の衝撃を吸収する能力の低下説
、、、、などが考えられています
※痛みがでる頻度によって、以下の4つにわけることができます
【Waish分類】
grade Ⅰ・・・運動後にのみ疼痛(痛み)がある。
grade Ⅱ・・・運動前後に疼痛があるがスポーツ活動に支障はない。
grade Ⅲ・・・運動前中後に疼痛がありスポーツ活動に支障をきたす。
grade Ⅳ・・・疼痛が強くスポーツ活動は不可能
GradeⅢ以上になると運動を休止する必要があります。
どうやって診断されるの?
画像検査ではレントゲン、超音波画像診断、MRI検査を行います
レントゲンでは、疲労骨折が生じている例を除いて、異常所見を認めることはありません。
MRI検査や超音波診断装置を用いた検査では、筋肉や骨周りの炎症や、骨への血流信号などがわかります。
画像診断では疲労骨折との鑑別が大切で特にMRIが有用です。
一般型(この画像では明らかな異常所見はなし) 重症型(脛の骨内に信号の変化)
一般型では脛の骨の内側を中心に骨膜と言われる骨の表層と周囲の筋肉に異常信号を認めることがあります。
重症型では骨髄(骨の中心部)に異常信号を認めます
どんな治療をするの?
基本的には保存療法(リハビリテーション)を行います
シンスプリントを発症する要因として、①足の内外のアーチが低い(偏平足)、②足の横アーチが低い(開帳足)、③足関節・足趾の可動域制限、④姿勢の悪さなどが考えられています
そのため、リハビリテーションとしては
筋力強化や、ストレッチ、動作の指導などを行います
また、インソールなどを処方して偏平足を矯正する方法もあります