足関節術後

2020/08/03

足関節手術後のリハビリテーションを紹介します。

Phase1【保護期】
目的:可動域の獲得
目標:Phase1エクササイズでの疼痛なし、エクササイズ後の腫れなし
リハビリの内容
手術直後は患部の炎症が強く、また下肢の循環が悪くなっています。そのためアイシングによる炎症の鎮静化と下腿の循環改善を目指します。炎症が収まってきたら痛みのない範囲で可動域訓練と筋力トレーニングを行っていきます。可動域は痛みのない範囲で徐々に拡大させていきますが、靱帯縫合および靱帯再建を行った場合、4週間は内反(足首を内側に捻る動作)は行わないようにします。Phase1の筋力トレーニングは関節に負担を掛けないよう体重を掛けない状態でのプログラムを中心に行います。歩行については松葉杖を使用した歩行から痛みのない範囲で徐々に荷重をかけていきます。もしドリリングや軟骨移植を行った場合は、下記のスケジュールに沿って徐々に進めていきます。また靱帯縫合および靱帯再建、ドリリング、軟骨移植を行った場合、2週間は日中は弾性包帯を装着し、就寝時はシーネ固定を行います。その後3週目からは軟性装具を装着します。

ドリリング、軟骨移植をした場合の荷重スケジュール
手術後2週間:無荷重
手術後3週目:1/3部分荷重
手術後4週目:1/2部分荷重
手術後5週目:2/3部分荷重
手術後6週目~:全荷重

アンクルポンプ
目的:下肢の血液循環の改善



踵引き(ヒールスライド)
目的:膝の可動域の獲得


おはじき拾い
目的:足の指(足趾)の筋力強化


 タオル引き(タオルギャザー)
目的:足の指(足趾)の筋力強化


足指体操
目的:足の指(足趾)の筋力強化


ショートフット(土踏まず上げ)
目的:足の指(足趾)の筋力強化


チューブトレーニング(外返し)
目的:脛の外側(腓骨筋)の筋力強化


チューブトレーニング(内返し)
目的:脛の内側(後脛骨筋)の筋力強化


チューブトレーニング(つま先倒し)
目的:ふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋力強化


踵上げ(カーフレイズ)座位
目的:ふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋力強化


Phase2【保護期】
目的:筋力強化とバランス能力の向上
目標:ジョギング(片脚踵上げ10回)、​​​スポーツ復帰(片脚踵上げ20回)
リハビリの内容
可動域を獲得し体重をかけないエクササイズが問題なく出来るようになったら、荷重をかけた状態での筋力トレーニングを開始していきます。正しいフォームで行えることが重要です。またバランス能力が要求されるエクササイズを通して、全身の協調性向上を目指します。


踵上げ(カーフレイズ)両脚立位
目的:ふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋力強化


踵上げ(カーフレイズ)片脚立位
目的:ふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋力強化


つま先立ち
目的:ふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋力強化


踵上げ(カーフレイズ)段差
目的:ふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋力強化


バランス1(片脚立位)
目的:バランス能力の強化


バランス2(Y型)
目的:バランス能力の強化(3方向)


バランス3(星型)
目的:バランス能力の強化(多方向)


スクワット(両脚)
目的:太ももの前の筋(大腿四頭筋)・裏の筋(ハムストリング)・殿部の筋力強化


スクワット(片脚)
目的:下肢全体の筋力強化、協調性の改善


ジャンプスクワット(両脚)
目的:下肢全体の筋力強化、協調性の改善


ジャンプスクワット(片脚)
目的:下肢全体の筋力強化、協調性の改善


サイドステップ
目的:下肢全体の筋力強化、協調性の改善