股関節唇損傷に対する股関節唇修復術後のリハビリテーションを紹介します。
Phase1【術後早期】
目的:関節の保護と可動性
目標:Phase1の運動で疼痛なし、股関節可動域が健側の85%以上、全荷重歩行が可能
リハビリの内容:
手術後は炎症が発生し、疼痛が出現したり血液循環が悪くなります。また手術後2週間は股関節を保護するための装具を装着して安静を保ちます。この期間には炎症を出来るだけ抑えつつ、痛みの範囲内で少しづつ股関節の可動域拡大を図ります。また股関節周囲筋の筋力トレーニングにより血液循環や筋力の回復を目指します。
アンクルポンプ
アイソメトリック
仰向け踵寄せ(介助あり)
股関節周囲筋強化(ハムストリングス)うつ伏せ
股関節周囲筋強化(ハムストリングス)座位
アイソメトリック(内転筋)
アイソメトリック(股関節屈筋)
お尻上げ(ブリッジング)
四つ這い殿筋ストレッチ
Quadruped Rocking
Phase2【術後中期】
目的:荷重機能の回復
目標:他動可動域が左右対称であり疼痛を伴わない、正常歩行の獲得、股関節屈筋が健側の60%以上、屈筋以外は健側の70%以上
リハビリの内容:股関節の可動性が健側と同じになるように可動域拡大のためのエクササイズを行います。また股関節だけでなく体幹の可動性や協調性を改善させるための筋力および可動性のエクササイズを追加して行っていきます。
丸椅子回旋運動
うつ伏せ殿筋強化(お尻締め)
うつ伏せ殿筋強化(かかと絞り)
仰向け股関節屈曲運動(かかと寄せ)
仰向け股関節屈曲運動
仰向け股関節屈曲運動(テーブルトップ)
仰向け股関節屈曲訓練(マーチング)
立位での外転運動
横向きでの殿筋強化1
横向きでの殿筋強化2(ローズウォールスライド)
横向きでの殿筋強化3(壁押し)
鳥と犬
股関節ストレッチ(内転筋)
プランク
他動可動域訓練
Phase3【術後後期】
目的:筋力・持久力の回復
目標:痛みのない左右対称の可動域、股関節屈筋が健側比85%以上、全ての動作において体幹のコントロールを保つことが可能
リハビリの内容:全身の運動を伴うエクササイズを通して、体幹や骨盤が固定された状態で股関節を動かすことができるようにしていきます。また股関節周辺関節が正常なアライメントで動作できることを目指します。