前十字靭帯再建術後(BTB)のリハビリテーションを紹介します。
Phase1【術後早期】
目的:患部の安静と組織の回復
目標:膝の腫れの消失、Phase1エクササイズでの疼痛なし、正しいスクワット動作の獲得
リハビリ内容手術直後は患部の炎症が強く、また下肢の循環が悪くなっています。そのためアイシングによる炎症の鎮静化と下腿の循環改善を目指します。炎症が収まってきたら松葉杖を使用した歩行から正常歩行を獲得するために歩行の練習を行います。膝関節の可動域を拡大していくエクササイズや筋力強化も開始していきます。筋力強化は膝関節に限らず股関節、体幹なども行っていきます。左右対称に荷重できるようになったら、荷重をかけた状態での筋力強化へと進めていきます。
パンピング
タオルストレッチ(下腿三頭筋) セルフマッサージ(フォームローラー)
セルフマッサージ(棒ほぐし)
術創部 モビライゼーション
膝蓋下脂肪体 モビライゼーション
膝蓋上嚢 モビライゼーション
大腿四頭筋セッティング
クォータースクワット
ヒールスライド(座位:自動)
目的:ももの裏(ハムストリングス)の筋力強化
患部外トレーニング(股関節周囲、体幹)
hip lift(両脚)
hip lift(片脚)
横脚挙げ運動(ヒップアブダクション)
プランク
カーフレイズ(座位)
両足踵上げ(カーフレイズ)
歩行学習(前半)
歩行の運動学習トレーニング(TSt~PSw)
デッドリフト
片脚立位
Phase2【術後中期】
目的:筋力の回復
目標:動作中の下肢関節の正常なアライメントの獲得、膝伸展筋力体重比60%以上、Phase2のエクササイズにおける疼痛なし
リハビリの内容:
膝関節可動域および筋力の回復に伴い、更に膝関節へ負荷をかけた筋力の積極的な改善を図っていきます。このPhaseでは体重をかけたトレーニングを通して、股関節や足関節、体幹を含めた関節同士の連動性の獲得により膝に負担のかからないような正しい動作の獲得を目指します。
膝伸展筋力体重比60%以上でジョギングを開始します。
レッグカール(アイソメ)
レッグカール(チューブ)
Knee Bent Walking
バランス訓練
Yバランス
星型バランス(SEBT)
ハーフスクワット
バランス訓練(不安定板)
片脚スクワット(クォーターから)
片足踵上げ(カーフレイズ)
combination calf raise(ジャンプ着地動作)
クロストレーナー
ランジ(前方)
ランジ(サイド)
ランジ(リバース)
膝立ちハムストリングス強化(ロシアンハムストリングス)
レッグ エクステンション
目的:太ももの前(大腿四頭筋)の筋力強化
Phase3【術後後期】
目的:各々の競技復帰へ向けた動作の獲得
目標:動作中の下肢関節の正常なアライメントの獲得、膝伸展筋力体重比100%以上および健患比80%以上、Phase3のエクササイズにおける疼痛なし
リハビリの内容:バランス能力の回復を目指したプログラムに加え、競技に必要とされる機能の獲得を目指した動的なエクササイズを実施していきます。その競技特有の動作の中で問題点がみつかれば、その問題点を解決するためのトレーニングを行っていきます。
その場ジョギング
インタバールジョギング(ダッシュの30%)
ステップ動作
ランニング(ダッシュの50%)
アジリティートレーニング(条件:健患比70%以上)
ジャンプ(on,off)
ダッシュ