スポーツ 怪我〜競技復帰まで
バトミントン
バドミントンは、1人対1人、または2人対2人で、ラケットを使ってネット越しにシャトルを打ち合い、得点を競い合う競技です。オリンピック競技にもなっており、男女シングルス・男女ダブルス・混合ダブルスが行われています。
①症例紹介(基本情報)
年齢:19歳性別:女性
主訴:股関節を伸ばす(伸張)・曲げる(収縮)動作で痛い
診断:右腸骨筋肉離れ
所見:圧痛+ 股関節伸展時のストレッチ痛+ 股関節屈曲時の抵抗時痛+

現病歴

2024年 1月12日 バトミントンの練習中、前方のシャトル(羽根)を拾おうと大きく開脚した際に右鼠径部痛出現。
2024年 1月17日 その後練習継続したが、痛みで前方のシャトル(羽根)を拾えず練習中断。
2024年 1月19日 右腸骨筋の肉離れ疑いのためMRI精査検討。
リハビリテーション開始し、患部外トレーニングや物理療法など開始。
※競技は休止し、股関節屈曲方向への力を入れないようにし股関節伸展ストレッチも控える。
2024年 1月20日 AR-Ex尾山台整形外科にてMRI検査実施。右腸骨筋表層の肉離れ。
引き続きリハビリテーション継続。(症状に応じてストレッチやトレーニングメニューの追加。)
2024年 2月 5日 バトミントン競技の確認。競技中の疼痛なし。引き続きリハビリで経過観察。
2024年 2月 9日 MRI再検査実施。理学所見・画像所見より、腸骨筋表層の肉離れ症状(高輝度変化)軽減。
動作時の疼痛消失し、競技完全復帰。
画像所見
・レントゲン明らかな骨傷はなし
・MRI(2024年1月20日)

(↗)腸骨筋表層部分 高輝度変化+
肉離れの原因
運動中のジャンプやダッシュ動作、急な切り返し動作など、筋肉の瞬間的なストレスにより筋肉や筋膜が急に引き伸ばされて損傷します。例)
・筋肉の柔軟性の不足
・ウォーミングアップやストレッチ不足など
・筋肉疲労
・主動作筋と拮抗筋の筋力バランスの不良
・筋力や持久力の低下
・間違ったフォームや動作の繰り返し
受傷ー競技復帰までの流れ

①診察 病態の把握
・疼痛部位の確認
(圧痛・股関節伸展時のストレッチ痛・股関節屈曲時の抵抗時痛)
・超音波検査など
②MRI検査等による画像精査
・早期復帰へ向けた治療方針の確立
③状況に合わせたリハビリテーション
・消炎処置〜トレーニング
・競技特性に沿った動作・痛みの確認
(ラケットワークやフットワーク・6方向への移動やステップ)
・試合形式での動作・痛みの確認
④診察
・経過〜治療復帰まで、必要に応じて状態チェック
→ 経過良好であれば復帰へ
治療
【処置】受傷直後→ RICE処置 (R:Rest安静 I:Icing冷却 C:Compression圧迫 E:Elevation挙上)
・受傷部位や周囲組織の二次的な障害を予防アイシングは、氷を利用し1回10-15分行う
・歩行に支障をきたす場合は、松葉杖を使用し日常生活でなるべく患部に負担をかけないようにする
【トレーニング】
インナーマッスルトレーニング
・ドローイン
・ハンドニー
・エルボートウ
・サイドブリッジ
・Bird &Bog
ジャンプ・ステップ
・スクワット
・ランジ(前方)
・両脚ジャンプスクワット
・片脚ジャンプスクワット
・バランスEx(SEBT)
・サイドステップ
