2023年11月11日・12日に岐阜県のじゅうろくプラザで開催された「第７回UKK運動器超音波セミナー」に参加してまいりました。

今回は「エコー(超音波)を使って臀部痛(お尻の痛み)・鼠径部痛(股関節の付け根の痛み)の謎に迫る」というテーマで講演が行われました。

臀部痛や鼠径部痛を訴えられる患者様は多くいらっしゃいますが、何が痛みを引き起こしているのか、原因がわからないことがあります。

腰や股関節のレントゲン・MRIを撮っても異常は見られませんが、なぜか痛みがあるということを臨床では多く経験します。

治療を行うためには何が痛みを引き起こしているのか、原因をしっかりと突き止めなければなりません。

そこで必要になるのが解剖学や運動学といった知識になりますが、さらにエコーを用いることで、より精度の高い治療が可能になります。

１日目は臀部痛・鼠径部痛についての座学を行い、２日目には参加者同士でエコーを用いた実技を行いました。

エコーでは骨や筋肉の他に末梢神経や小さな血管なども観察することができます。

近年はこの末梢神経や血管に対する治療の有効性が示されてきておりますが、細かな神経や血管の触診は非常に難しいのが現状です。

そこでエコーを使ってリアルタイムに、身体の中で起きている反応を確認しながらリハビリを行うことが、より質の高い治療を行うには必須になります。

参加当日はエコーを使いながら関節を動かしたり、徒手療法を行うことで、実際に身体の中ではどのような変化が生じているかを観察しながら実技を行いました。

今回の研修では「臀部痛・鼠径部痛」を考える上で解剖学と運動学の知識が非常に重要であることと、エコーの有用性を改めて確認することができました。

本研修で得た知見や技術を法人内のリハビリスタッフに共有し、臀部痛・鼠径部痛に悩まされている患者様を一人でも多く救えるよう、さらに研鑽を重ねていく所存です。


佐久平整形外科クリニック
理学療法士
依田 好平