「医療安全」研修報告

去る2019年6月15日(土)滋賀県草津市で行われた第31回医療安全管理者ネットワーク会議に参加してきました。
医療安全管理者ネットワークは「医療の質・安全学会」の中の委員会の一つです。
参加者は医療安全管理者に限定されておらず、医療安全に関わるすべての医療関係者に門戸が開かれていることが特徴です。
医療安全という特性上看護師の方の参加が多いのですが、他のコメディカルにとっても有用な講義やグループワークが盛り込まれていること、他の医療機関で行われている医療安全の情報が聞けること、などから放射線技師である私にとっても毎回興味深い内容です。


今回は、日本医療安全評価機構 医療事故防止事業部 部長 坂口美佐さんが講師としてお越しになり「日本医療安全評価機構のインシデントレポート収集事業の結果を現場に役立てるには」というテーマでお話し頂きました。
日本医療安全評価機構は厚労省の指導の下で全国の医療機関からインシデントレポートを収集している組織で、収集したインシデントレポートをどのように加工し、現場での利用に繋げているのか、というお話しでした。
インシデントレポートは、ミスをした当事者が書き起こすことが多く、懲罰的な目的、いわゆる「始末書」のように思われることが少なくありません。
しかしレポートには再び同様のミスを起こさないための重要なヒントが含まれており、レポートを書くことはミスの原因を検証し具体的な対策を考えることに繋がる第一歩です。
講演を通じて、多くの人がレポートを通じてインシデントの概要を共有することができれば、再発防止効果は更に高まることを再確認しました。
講演の後のグループワークでは、グループごとにインシデントを想定し、それに対する安全な手順を考えて発表・討議を行い散会となりました。
自施設内での医療安全活動はもちろん重要ですが、それと同様に同じ医療安全に関わる皆様との情報交換もとても大切です。今回得られた新しい医療安全の情報をクリニックに生かしつつ、今後は外部に向けての発信も視野にいれて業務に携わっていこうと思います。

アレックス脊椎クリニック 放射線技師 脇坂 浩司