前十字靭靭帯 ACL

Arthroscopic Surgery

バスケットボールの前十字靭帯手術後のリハビリ

  • 前十字靭帯損傷はバスケットボール選手において他競技に比べ女性選手の割合 が高く、約 4 倍の損傷率を示すともいわれています。
  • 前十字靭帯の損傷を引き起こしやすい{ダッシュからの急激な減速や停止}{急激な方向転換}{ジャンプ着地}の場面を多く含むためと考えられています。
  • そのため、これらの危険要素を克服させずに競技復帰をすることはプレー復帰の障害となり、最悪再損傷などのリスクを向上させるため、リハビリテーションはとても重要です。

バスケットボール選手のACL術後のリハビリのポイント

ポジションによる受傷パターンの違いはありますが、すべての選手がステップ動作・ジャンプ動作の両方を安全かつ正確に行えるようになって復帰させることが重要です。
ジャンプ
バスケット選手ではとくにリバウンドやシュート時にジャンプする機会が多く、とくにセンターポジションの選手はその機会が多いとされています。
センターポジションの選手の60%ジャンプの着地時に受傷するという報告があります。
ジャンプ動作を分解して、ジャンプの前動作・空中動作・着地動作をそれぞれ安定して行えるようにトレーニングが必要です。
さらに接触しながらのジャンプや回転しながらのジャンプなどバリエーションを含んでトレーニングを行います。
ジャンプ
4ヶ月 両脚ジャンプ
両脚90°ジャンプ
片足ジャンプ
5ヶ月 回転ジャンプ
BOXジャンプ
6ヶ月 デプスジャンプ
BOX回転ジャンプ
コンタクトジャンプ
8ヶ月 その場ジャンプ&ランニングジャンプ
リバウンドをイメージして
→コンタクトジャンプ(自分から)
→コンタクトジャンプ(空中で接触させる)
ステップ
バスケットボールはドリブルの切り替え、フェイント動作、ディフェンスなど急な切り返し動作を連続的に行います
特にガード・フォワードポジションでは前十字靭帯損傷受傷場面の半数以上がステップ動作とされています。
特に横への切り返し動作で膝への負荷が増大するため、リハビリテーションではサイドジャンプの安定性や重要とされます。
そのためのトレーニングは初期から行い、片足ジャンプが安定して行えるようになったころからサイドジャンプを取り入れ、応用動作も含めてトレーニングしていくことが重要です。
ステップ
4ヶ月 サイドランジ
サイドステップ
5ヶ月 サイドジャンプ
(バリエーションVer)
6ヶ月 サイドジャンプ(不安定板)
8ヶ月 急激な方向転換を加えたステップ
接触しながらの切り返し
アジリティ
切り返しの多いバスケットボールではステップ動作を組み合わせて、複数の動作を組み合わせて高速に移動します。
そのため、リハビリテーションやトレーニングの場面でもその場で完結するメニューだけではなく、移動したり、複数のステップを組み合わせて行う場面を練習します。
その際に危険動作が含まれないように注意します。
アジリティ
4ヶ月 ハーキー
ツイスティング
5ヶ月 ラダー
6ヶ月 ダイヤモンドミックスステップ
8ヶ月 相手に合わせた連続ステップ
持久性を高めたステップ
バスケメニュー
前十字靭帯損傷は復帰までに長期間を要する怪我ですが、動作によってはリハビリテーションを行いながらできる練習もあります。
また、リハビリテーションで練習した動作をバスケットボールの動きに取り入れていくために、動きを意識して練習していきます。
基本動作の習得(リハビリテーション)をして、安全に行うためにも担当の理学療法士やトレーナーに確認をとりながら取り入れていきましょう。
チーム練習に合流するか、個別練習で行うかは担当理学療法士やトレーナーと相談して行いましょう。
バスケメニュー
術後 その場ドリブル(座位・立位)左右・前後
スタンディングシュート(ジャンプなし)
ハンドリング
4ヶ月 正面ミート
ゴール下シュート
正面リバウンド
5ヶ月 レイアップシュート
ジャンプシュート
スライド・クロスステップ(直線)
6ヶ月 フットワーク(全体)
ランニングシュート
ツーメン・スリーメン
ボールなし1対1
8ヶ月 ハーフコート→オールコート
ノーコンタクト→コンタクトメニュー
非対人→対人
オフェンス→ディフェンス