第16回 日本運動器看護学会 学会参加報告
2016年6月4日・5日に横浜で開催された「第16回 日本運動器看護学会」に当グループの看護師全員で参加してきました。聴講させていただいて、現在の運動器看護の特性や方向性がわかり貴重な経験をさせていただきました。この学会参加を通じて今後は、社会が当法人に求めるもの、期待する事を理解・把握し、より一層患者のニーズに応えていけるよう医療・看護の質の向上に努めていかなければならないと感じました。
運動器疾患における医療制度の活用と展望
第16回 日本運動器看護学会学術集会会長
叶谷 由佳 先生
医療政策の方向性として、医療機関の機能分化の推進がすすめられています。医療、介護、予防のみならず、福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが日常生活の場で適切に提供できるような地域の体勢の構築のために運動器疾患・障害を持つ人が関わる様々な機関や施設、行政、在宅事業所での看護師の役割や、所属を超えて同じ職種同士が連携する事で運動器疾患・障害を持つ者の生活の質向上に繋げられるような関わりについて考察することが出来ました。当法人でも、スポーツのみならず、たくさんの高齢患者様もいらっしゃいます。その方々の、家での生活もサポートできるよう、ケアマネージャー、介護施設などの看護師とも連携をとっていくことが重要だと考えました。
人工股関節手術を受ける患者へのケアシステムの構築について
横浜市立大学医学部看護学科教授
佐藤 政枝 先生
人工股関節手術後は患者様の生活様式によって脱臼のリスクや、人工関節の摩耗による再手術となることがあります。日本では、床に座ることが多く椅子で生活する欧米より摩耗のリスクが高くなります。そこで、手術前よりアプリを使って家での生活環境を撮影して頂き、退院後の生活指導に役立てたり、入院前より、アプリから危険動作、注意する動作の指導を確認することができ、手術後早期より人工関節の生活に適応できるようにしていました。当法人でも、アプリの活用を進めており、今後入院案内や、退院オリエンテーションのアプリができたら、患者様がいつでも確認でき有益であると考えました。
スポーツ医療チームによる退院時指導の有用性
阪神中央病院スポーツ関節鏡センター
前川 操穂 先生
病院での試みとして、担当医師、理学療法士、看護師で、退院時カンファレンスを行い共有の退院指導書を作成しました。そのことにより、多角的な視点で個別性のある退院指導をすることができるようになりました。当法人では、術後翌日に退院するケースもあり、入院期間が短い為、術前カンファレンスを有効に活用し取り入れることができると思いました。