スポーツ別症例紹介

体操競技


体操競技は、ルールで定められた器械において身体で演技を行い、技の難度や美しさ、安定性などを基準に審判員が判定を行い、得点を競う採点競技です。
男子はゆか・あん馬・つり輪・跳馬・平行棒・鉄棒の6種目、女子は跳馬・段違い平行棒・平均台・ゆかの4種目があり、団体・個人総合・種目別の3つの競技方法で行われます。

症例紹介

年齢:20歳
性別:男性
主訴:ジャンプで腰が痛い。歩くのも痛い。
現病歴:
2023年・2024年 腰痛のためAR-Ex尾山台整形外科通院
2025/1/27 練習中に腰痛再燃
症状が増悪傾向のため当院受診

所見

MRI画像所見:第2腰椎両側に高輝度変化あり
CT画像所見:右第2腰椎 骨折線(ー)左第2腰椎 骨折線(+)骨連続性+
診断名:両側腰椎分離症(左第2腰椎)
   (右は超初期分離症、左は初期分離症)


腰椎分離症の骨癒合期間
超初期:1-2ヵ月、初期:2-3ヵ月、進行期:5-6ヵ月、終末期:困難



復帰予定(治療期間):3ヵ月(安静2ヵ月)
選考会3/29
3月中旬にMRI予定し、高輝度変化(骨折線)が消失すれば徐々に復帰

リハビリ内容

・2ヵ月:コルセット固定(ギプスとライトブレース)


・リハビリテーション:疼痛軽減・原因動作の確認→伸展(反る)動作と右回旋動作不良→動作修正へ

最後に

男子体操競技選手の復帰を目指した、腰椎分離症に関するご紹介をさせていただきます。
腰椎分離症は、4つのステージに分類され、早期発見が治療のカギとなります。

早期に発見すれば治療期間が短縮され、骨癒合が促進されるため、治療効果が高くなります。
今回の選手は1月末に発症し、両側の分離症が確認されましたが、初期のステージに該当しています。

予想される骨癒合までの期間はおおよそ2~3ヵ月ですが、選手の希望である3月末の選考会に向けて、最適なリハビリテーションプランを策定し、復帰に向けて全力でサポートしていきます。