スポーツ別症例紹介
準硬式野球部 症例情報2
準硬式野球とは、公式と軟式の中間的なボール(準硬式球)を使用する野球競技です。バットやグローブは硬式用を使用します。
メディカルスタッフとして帯同
2025年4月末に日本体育大学準硬式野球部の公式戦にAMAスタッフである理学療法士の近藤拓真と久保樹紀がメディカルスタッフとして帯同しました。その際に怪我やコンディション不良で悩む選手のメディカルチェックや運動指導を行ないました。
その中でも今回の記事では前回症例紹介1で紹介した右肩関節脱臼を発症し手術を行なった選手の経過をご紹介します。

症例紹介
年齢:19歳性別:男性
診断名:右肩関節脱臼
術式:右肩鏡視下Bankart修復術+SLAP修復術(2024年11月施行)
ポジション:投手
投球側:右
主訴:投球動作時の特にトップポジションからリリース(ボールを投げる瞬間まで)の脱臼不安感。

術後経過
2024年11月 右肩鏡視下Bankart修復術+SLAP修復術施行(AR-Ex尾山台整形外科 木崎医師執刀)2025年4月中旬 右肩関節可動域改善してきており、投球時のトップポジションが可能となりシャドーピッチング開始(術後約5か月)
2025年4月下旬 シャドーピッチングで不安感なく動作が可能となり段階的にネットスロー開始
現在、トップポジションからのネットスローを5割程度の強度で20球/日実施中

理学所見(術後5か月)
【右肩関節可動域】屈曲170°
外転160°
外転外旋位90°
↓↓(投球時の腕が一番しなる位置で計測した角度)

競技復帰までの流れ
術後5か月(現在) ネットスロー術後7か月(2025年6月) ピッチング開始
術後9か月(2025年7月) 試合登板
最後に
今回は前回の症例紹介で紹介した選手の報告でした。術後5か月経過し肩関節可動域は改善しており、投球復帰に向けた【準備期間】に突入しました。
投球動作は肩関節・肘関節のような上半身のみで完結するものではなく下半身⇒体幹⇒上半身といった流れで全身が連動して行なう動作です。そのため、肩関節などの上半身のみではなく全身の機能を向上させる必要があります。
選手にも全身の機能の大切さを理解してもらい、焦らずひとつひとつ丁寧に行なっていくよう心がけてもらいながら試合への登板を目指していきます。
スタッフ一同、より早い確実な復帰を目指して丁寧にリハビリテーションを実施していきます。