肩関節の画像診断 〜単純レントゲン・超音波・3DCT・MRI〜
2016年3月21日(祝・月)にAR-Ex尾山台整形外科スポーツ関節鏡センターで肩関節班全体研修を行いました。
平田医師による画像の見方
単純レントゲン
目的により撮影条件を選択。
機能に問題・・・挙上位、内旋、外旋
(筋力、肩甲帯代償)
構造に問題・・・インピンジメント、内旋位撮影
(肩峰下の骨棘,Hill-Sachs lesion)
※肩甲上腕関節だけでなく、烏口突起・肩鎖関節の評価も可能
●挙上位(ゼロポジション)
評価:肩甲骨上方回旋の左右差、肩甲帯での代償の有無
●肩外旋位
評価:健側と比較して… 外旋不十分、骨頭下垂の有無
骨頭下垂位なら外旋筋力不十分!
※メリット
肩甲上腕関節以外に
肩鎖関節、烏口突起の評価も可能
●インピンジメント撮影 正面
評価:肩峰下の骨棘の有無
●インピンジメント撮影 側面
評価:肩峰下の骨棘の有無
⇒手術において骨棘を削る範囲・深さの評価が可能
●肩内旋位
評価:Hill-sachs lesionの有無
超音波画像診断
・LHBの形態、腫脹、位置の評価
・腱板断裂の有無
・SABの肥厚の有無
●LHB
評価:LHBの腫脹、亜脱臼 の有無
大結節の不整:SSP断裂
小結節の不整:SSC断裂
●肩甲下筋
評価:断裂の有無 、小結節の不整の有無
●棘上筋 長軸像
評価:断裂の有無、大結節の不整の有無、断裂サイズの確認
【断裂サイズ(Cofieldの分類)】
小断裂:1cm(10mm)
中断裂:1〜3cm(10〜30mm)
大断裂:3〜5cm(30〜50mm)
広範囲断裂:5cm以上(50mm以上)
●棘下筋 長軸像
評価:断裂の有無
3DCT
関節窩の形態評価
・関節窩骨折(Bony Bankart)の有無⇒関節窩の骨欠損
・Hill-sachs lesionの有無⇒上腕骨頭後方の骨折
MRI
【腱板断裂】
・腱板断裂の範囲の確認
・筋萎縮の評価(Goutallier分類)
【肩関節脱臼】
・靭帯損傷(MGHL,AIGHL)
・前方関節唇損傷
⇒タイプ別特徴:関節窩前縁の摩耗 女性に多い、Laxity(+)
Bony Bankart 男性、コリジョンスポーツ
【MRI撮影3方向(斜位冠状断、斜位矢状断、水平断)】
●斜位冠状断(coronal)
評価:腱板断裂(SSP)の有無
●矢状断(sagittal)
評価:腱板断裂(SSP)、筋萎縮、脂肪浸潤の有無
【Goutallier分類】
Grade0:脂肪沈着なし
Grade1:わずかな索状の脂肪
Grade2:筋肉>脂肪
Grade3:筋肉=脂肪⇒ここから再断裂のリスク上昇
Grade4:筋肉<脂肪
●水平断(axial)
評価:LHBの位置、形態、水腫、靭帯損傷(MGHL,AIGHL)、前方関節唇損傷の有無
当法人の肩関節担当医の紹介
肩関節・肘関節の関節鏡視下手術、肩関節外科、スポーツ整形外科を専門とし、志を抱いて大阪から東京・長野にやってまいりました。最新の超音波診断装置を用い、運動器傷害の診断だけでなく治療も行います。
外来担当日
AR-Ex尾山台整形外科(月曜日:午後、火曜日:午前)、都立大整形外科クリニック(月曜日:午前)、上田整形外科内科(木曜日)
関節外科、スポーツ整形外科を専門にしています。肩、膝関節に力をいれており、超音波検査(エコー)を用いて、痛みや炎症部位を特定した注射処置など、より効果的な治療を目指しております。自身のスポーツの経験も生かして早期復帰を目標に、患者様と一緒に快方に向かうよう治療にあたっています。尾山台整形外科で手術も行っております。より良い診断、治療を提供てきるよう日々邁進していきます。
外来担当日
明大前整形外科(金曜日:午後、土曜日)、佐久平整形外科クリニック(火曜日)