大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)

2024/05/01
#股関節
医師
久保 貴敬

病態

大腿骨寛骨臼インピンジメント(以下FAI)は股関節痛の原因の1つで股関節唇損傷、軟骨損傷、早期の変形性股関節症の原因と考えられています。

アスリートのFAIと関節症性変化の関係

FAIは大腿骨頭・頚部と寛骨臼蓋縁との間の繰り返される衝突(インピンジメント)により関節唇や関節軟骨の損傷が起こります。関節内の損傷が進むと関節症性変化(OA変化)を起こすことが知られています。
特にアスリートやスポーツ愛好家においては、痛みや可動域制限のためにパフォーマスの低下を来たすため、早期の治療介入が重要になってきます。エリートアスリートでは、一般の人と比較して、レントゲン上の骨形態でFAIを示唆される頻度が60%〜95%と極めて高いです。今まで欧米人のみ多く日本人は少ないと考えられてきましたが、日本人のプロ選手でもその頻度は高いことが報告されています。アスリートでは、陸上やトライアスロンなど耐久性のスポーツ、バスケットボールなどのピボッド動作の多いスポーツ、格闘技、コリジョンやコンタクトスポーツなどであらゆるスポーツ活動でインピンジメントが起きやすいと報告されています。

この記事を書いたスタッフ
医師
久保 貴敬
関節外科、スポーツ整形外科が専門です。股関節、肩関節、膝関節に力を入れています。超音波検査(エコー)を用いて、痛みや炎症部位を特定した注射処置など、より効果的な治療を目指しています。自らのスポーツ経験を活かし、早期復帰を目標に患者様と一緒に快方に向かうよう治療にあたるよう心掛けております。AR-Ex尾山台整形外科では、関節鏡手術を行っています。より良い診断、治療を提供できるよう日々精進しております。股関節、肩関節、膝関節を中心にお悩みの方は是非ご相談ください。