肩脱臼の緊急時の対応|整復方法と応急処置

肩脱臼の応急処置

止血

出血がある場合は真っ先に止血を行います。
出血している傷口をガーゼやハンカチなどで直接強く抑えて、圧迫を行い止血します。

PRICE処置

止血が完了した、または出血がないことを確認した後はPRICE処置を行います。
P:Protect(保護)
R:Rest(安静)
I:Ice(冷やす)
C:Compression(圧迫)
E:Elevation(挙上)
S:Stabilization/Support(安静、固定)

現場でのPRICE処置が完了したら速やかに医療機関への受診をしてください。

肩関節の整復方法

緊急での受診が困難な場合を想定して自己整復できるStimson法での整復方法を紹介します。
※状態把握をしないで無理に整復をすると骨折の危険性があります。医療機関への受診が可能な場合は必ず受診し医師の処置を受けるようにしてください。

ベットにうつ伏せになり体を固定し、重りを手首から吊り腕をベットから垂らすようにします。重りは場合によっては徐々に重りを追加することも可能です。脱臼してからなるべく30分以内に整復を試みる必要があります。Stimson法の利点は助手や整形外科医がいない場合にも行うことが可能です。しかし、欠点としては時間がかかることやうつ伏せになることで患者さんの状態把握がしづらいことが挙げられます。

Stimson法を実施しないほうがいい場合
  • お酒を飲んで酩酊している場合
  • 妊娠中(うつ伏せ姿勢がとれない)

肩脱臼を繰り返すとどうなるのか

肩脱臼を繰り返すとスポーツや日常生活に支障をきたすようになります。肩を脱臼すると肩関節前面にある組織が損傷します。肩の前面には関節唇と言われる軟骨や関節包と言われる靱帯が存在しています。関節唇や関節包は肩を安定させている組織のため剥離や損傷が起こると肩の関節は一気に不安定になります。よって、再び脱臼してしまう再脱臼のリスクが高い状態となります。外傷性脱臼の70%以上が2年以内に再脱臼を起こすと言われており、再脱臼を起こすとさらに支持組織の損傷が進むため、反復性肩関節脱臼に移行し、脱臼への不安からQOLの低下やスポーツへの支障が生じる状態となります。

肩脱臼後の治療

肩脱臼の治療には患部安静保護、リハビリテーション、手術といった治療があります。