膝前十字靭帯再建術後にバレーボールに復帰した女子高校生
- 2017/07/30
半月板を縫合する手術を他院で行いましたが、スポーツ復帰に際して細かいリハビリの指導がなされずに、試合が迫っていたためバレーボールに復帰し、痛みが消えず、膝関節内の引っかかり感も再燃し当院で再手術となってしまったバレーボール選手です。
2015年7月にバレーボール練習中、ジャンプの着地をした際に膝を捻ってしまい左膝外側半月板損傷を受傷しました。その後、断裂してしまった半月板を縫合する手術を8月下旬に他院で施行しました。退院後は細かいリハビリの指導がなかったのですが、大会も迫ってきたため徐々に練習を開始していったようです。その結果、復帰してからも痛みや関節内の引っかかり感が消えることはなく次第に日常生活においても痛みが出てきたため都立大整形外科クリニックを受診されました。当院ではMRI検査結果から左膝外側半月板損傷を認め、再度手術を行いました。
最後の大会には必ず出たいという強い希望もあり、1回目の術後のような再度の失敗は許されないことと再手術ということで慎重に術後のリハビリを進めました。患者さんも復帰したいという強い気持ちがあり無事に高校生活最後の大会に痛みもなく最高なパフォーマンスを発揮し出場することができました。
性別:女性
年齢:16歳(高校生)
スポーツ:バレーボール(ポジション:セッター) 競技歴:5年目 練習頻度:週5日、1日3~4時間
診断名:左膝円板状半月板術後、左膝外側半月板損傷
術式:鏡視下左膝外側半月板部分切除術
現病歴:2015年7月にバレーボール練習中、ジャンプの着地をした際に膝を捻ってしまい左膝外側半月板損傷を受傷しました。当初は膝ロッキング現象(半月板が関節の中で捲れ上がってしまい、関節の空間がなくなり膝がロックしてしまう現象)が出現しておりました。その後、断裂してしまった半月板を縫合する手術を8月下旬に他院で施行しました。退院後、細かいリハビリの指導がなく、大会も迫ってきたため徐々に練習を開始した結果、復帰してからも痛みや関節内の引っかかり感が消えることはなく次第に日常生活においても痛みが出てきたため都立大整形外科クリニックを受診されました。当院ではMRI検査結果から左膝外側半月板損傷を認め、2016年9月16日再度手術を行いました。
理学所見
手術前 | 手術後4か月 | ||
関節可動域 | 屈曲 | 150° | 160° |
伸展 | -10° | 0° | |
整形外科的テスト | Catching sensation | 陽性 | 陰性 |
Mcmurray test IR | 陽性 | 陰性 | |
圧痛 | 外側半月板前節 | 陽性 | 陰性 |
外側半月板中節 | 陽性 | 陰性 | |
スコア | Lysholm score | 100点/100点 | |
IKDC | 89.6点/100点 | ||
KOOS |
その他
手術前 | 手術後6か月 | ||
筋力検査(BIODEX) | WBI | ||
Quad患健比 | |||
Ham患健比 |
レントゲン所見
手術前 | 手術後 |
明らかな変形などの病変なし |
術後の変形などはなく術前と変化なし |
MRI所見
手術前 | 手術後 |
関節水腫、骨髄浮腫を認める | 術前認めた水腫などの所見はなし |
滑膜増生を認める | 大腿骨の軟骨損傷に対して処置 | 前回手術の半月板縫合糸と半月板断裂、滑膜増生 |
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膝関節ROM-Ex |
膝関節可動域を広げ、左右差をなくすことを目的とします。 写真は屈曲(曲げる方向)の可動域練習ですが伸展(伸ばす方向)も重点的に行いました。伸展可動域を確保することで筋力向上にも寄与します。 |
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