Hospitalization
術前・術後ケア
手術を安全に成功させ、その後スムーズに回復して日常生活やスポーツに復帰していただくために、手術前後のケアは非常に重要です。ここでは、手術前後の準備と、術後のリハビリテーションについてご説明します。
術前ケア:手術に向けた準備と注意点
手術を安全に行うため、また術後の回復を早めるために、患者様にご協力いただきたい事項です。
術前検査の実施
手術が決まると、体全体の状態を確認し、安全に麻酔や手術が行えるかを判断するために、いくつかの検査を受けていただきます。
検査の主な目的
- 全身状態の評価: 心臓や肺の機能に問題がないか、貧血がないかなどを確認します。
- 麻酔方法の決定: 検査結果に基づき、安全で適切な麻酔方法を決定します。
主な検査項目
- 身長、体重測定
- 血液検査
- 尿検査
- 胸部X線検査
- 心電図検査
- 呼吸機能検査(必要に応じて)
手術の前に注意すること(喫煙リスクについて)
手術前から体調を整えていただくことが、術後の合併症予防や回復に直結します。
禁煙の重要性
喫煙は、傷の治りを遅らせたり、手術後の肺炎などの合併症が起こるリスクを高めたりすることが分かっています。手術を安全に成功させ、術後の回復を早めるため、手術の1ヶ月前からは禁煙していただくよう強くお願いしています。
その他の注意点
- 感染症の予防: 風邪やインフルエンザ、虫歯や歯周病など、体内に感染源があると手術を延期せざるを得ない場合があります。日頃から体調管理に努めてください。
- 医師・看護師との相談: 服用中の薬やアレルギー、普段の体調について、事前にすべて医師や看護師にお伝えください。
術後ケア:機能回復のためのリハビリテーション
手術で患部を治した後は、リハビリテーションによって機能を回復させることが不可欠です。当院では、患者様一人ひとりに合わせた専門のプログラムに基づいてリハビリを進めます。
リハビリテーションの進め方
術後のリハビリテーションは、損傷した部位の保護を最優先にし、段階的に負荷を上げていくことが重要です。
リハビリの目標
- 早期回復: 痛みや腫れを抑え、早期に退院できることを目指します。
- 関節可動域の回復: 硬くなった関節の動きを取り戻します。
- 筋力の回復: 手術によって低下した筋力を取り戻します。
- 日常生活動作(ADL)の自立: 身の回りのことが不自由なく行えるようにします。
- スポーツ・仕事への復帰: 最終的な目標として、無理なく元の活動に戻れるようサポートします。
プログラムの段階
リハビリは「術後早期」「中期」「後期」のように、厳密な時期とメニューが決められた段階的なプログラムに基づいて進められます。
- 安静・固定期: 手術直後で最も大切な期間です。装具などで患部を保護しながら、軽い運動で関節の動きを保ちます。
- 可動域訓練期: 医師の許可が出た範囲で、関節の動きを広げる訓練を始めます。
- 筋力訓練期・復帰期: 関節の動きが安定してきたら、筋力や持久力を高める訓練を行い、スポーツや仕事への復帰を目指します。
術後の日常生活動作(ADL)の注意点
退院後、日常生活に戻る際や入院中から気を付けていただきたい動作のポイントです。
| 動作 | 注意点 |
| 就寝・起き上がり | 患部に負担がかからない体位(姿勢)を看護師から指導します。装具を装着している場合は、装着方法を守って安静を保ちます。 |
| トイレ・入浴 | 手術の種類によっては、介助や補助具(手すりなど)が必要です。傷口が治るまではシャワー浴となります。 |
| 歩行・移動 | 医師の指示に基づき、松葉杖や装具を使用します。体重をかけられる時期は、手術の種類や回復状況によって異なります。 |
| 着替え | 患部に負担をかけないよう、ゆったりとした前開きの服など、着替えやすい衣類をご準備ください。 |
| 階段昇降 | リハビリテーションで練習しますが、退院後も無理のないよう慎重に行ってください。 |
装具の使用について
手術の種類によっては、術後の患部を保護し、リハビリを安全に進めるために装具(サポーター)を使用します。
- 目的: 患部を安静に保ち、手術で修復した組織が無理なく治癒するためのサポートをします。
- 装具の種類: 肩の手術であれば腕を固定する「スリング」、膝の手術であれば「ブレース」など、手術部位や損傷の程度により異なります。
- 使用方法: 装着時間や角度など、医師や理学療法士の指示を必ず守って正しくご使用ください。