case
股関節唇修復術
この症例の概要
症例サマリー
- 年齢:30代
- 性別:男性
- きっかけ:ダンスでの開脚動作
- 診断名:左股関節唇損傷
- 実施手術:関節鏡視下股関節唇修復術
- 入院期間:7日
- スポーツ復帰:術後5か月
股関節唇損傷とは?
股関節とは?
- 股関節は上半身と下半身をつなぐ重要な関節
- 股関節は「可動域が広い」かつ「安定性の高い」関節
股関節唇損傷が生じている原因とは?
- ヒトは直立二足歩行をする動物
- 重力により上から下に常に圧力を受け続ける
- それに耐えうる筋力が必要
→耐えられなくなったときに股関節がその機能を補う=股関節に負担がかかる
この患者さんが困っていたこと
日常・スポーツでの悩み
- 開脚動作でつまり感がある
- 負荷の高い動きになると疲労感・痛みが強くなる
「ダンスはできるが思い切りできない」
検査と診断
実施した検査
- レントゲン


- MRI


- CT

画像でわかる異常
- 剥がれた関節唇(関節唇損傷)
医師の一言解説
「股関節を安定させる“縁”が外れている状態です」
なぜ手術が必要だったのか
保存療法では難しかった理由
- ダンス時の股関節の痛み
- 競技レベルの高さ
- 損傷の拡大
手術を選択した目的
- 損傷の拡大防止
- よりよいダンス動作を行う
- ダンスの不安解消
手術の内容
手術名
関節鏡視下股関節唇修復術
手術の特徴
- 皮膚切開は小さい
- 関節鏡(カメラ)で内部を確認
- 剥がれた関節唇を元の位置に固定
手術の流れ
- 関節鏡を挿入
- 剥がれた関節唇を確認
- アンカーで縫合固定
- 股関節の安定性を確認
手術後の経過とリハビリ
術後の流れ
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 術後〜3週 | 股関節を固定・可動域訓練 |
| 3〜5週 | 筋力トレーニング |
| 2〜4か月 | 競技特異的な動作練習 |
| 4〜6か月 | スポーツ復帰 |
実際の変化
- ダンス動作時の違和感なし
- 開脚動作でのつまり感なし
医師からのコメント
今回の患者さんは、ダンスという股関節に大きな可動域と安定性が同時に求められる競技を行っており、保存療法では症状の改善が難しい状態でした。
画像検査では関節唇の明らかな損傷が確認され、痛みや違和感の原因が明確であったため、関節鏡視下での関節唇修復術を選択しました。
手術では、損傷した関節唇をできるだけ温存し、本来の位置に戻して安定性を回復させることを重視しています。
関節鏡を用いることで、関節内の状態を正確に確認しながら、必要最小限の侵襲で修復を行うことが可能です。
また、股関節の手術は手術そのものだけでなく、その後のリハビリテーションが非常に重要です。
当院では術後早期から段階的にリハビリを行い、ダンス特有の動作を想定した動作練習まで一貫してサポートしています。
術後5か月で競技復帰を果たし、現在は痛みや不安なくダンスに取り組めているとのことです。
今後も再発予防とパフォーマンス向上の両立を意識し、継続的なフォローを行っていきます。