アレックススペシャリストチーム
アスリートの肩を守る:再脱臼を防ぐ「DAFF法」と1mm精度の鏡視下手術
肩の脱臼(肩関節前方不安定症)は、一度起こすと再発しやすく、コンタクトスポーツなどの激しい動きを伴うアスリートにとって、選手生命を左右しかねない大きな課題です。
AR-Ex尾山台整形外科の中島駿医師は、独自の「DAFF法」と緻密な手術手技を組み合わせることで、再脱臼を極限まで抑え、早期かつ安全なスポーツ復帰をサポートしています。
従来の術式を超え、「面」で支える独自術式「DAFF法」
一般的な鏡視下Bankart修復術では、剥がれた関節唇を「点」で縫い合わせることが多いですが、当院が提供するDAFF(Double Anchor Footprint Fixation)法は、靭帯を関節窩(肩の受け皿)の「面」に固定します。

- 面での強固な固定: 前下肩甲上腕靭帯(AIGHL)を広い範囲で骨に密着させることで、より生理的な修復と強固な安定性を実現します。
- 最新デバイスの活用: Smith & Nephew社の「マイクロラプターノットレス」などの最新アンカーをいち早く導入。挿入時のトラブルを回避し、1mm単位の精度を保ちながら手術時間を短縮します。
論文で証明された圧倒的な治療成績
当院における症例の臨床成績は、学術論文『肩関節』でも発表されています。

- 再脱臼率 3.2%: 一般的な術式では5〜20%とも言われる再脱臼率を、わずか3.2%にまで抑えています。
- スポーツ復帰率 82.1%: 受傷前と同等レベルでの競技復帰を実現。コンタクトスポーツ選手においても高い満足度を得ています。
- 早期リハビリテーション: 手術翌日から可動域訓練を開始。手術の固定力があるからこそ可能な、AR-Exならではのスピード感ある復帰プログラムです。
独自の知見:手術後に「骨が再生する(リモデル)」
本治療の最大の特徴は、単に「止める」だけでなく、術後の「骨の質の変化」までを科学的に追い続けている点にあります。
多くの術式では、手術後に関節窩(肩の骨)が吸収されて減少してしまうことが課題でした。しかし、DAFF法を施行した症例をCTで精密に追跡した結果、「術後1年で新しい骨が形成され、骨の幅が回復する」という画期的な事実を確認しました(日本肩関節学会にて発表)。

強固な固定によって適切な物理的ストレスが骨に加わることで、身体本来の再生能力を引き出す。これが、私たちが目指す「一生涯、再脱臼させない肩」の根拠となっています。
1mmの精度が、アスリートの未来を変える

「手術は、関節の機能を守り、残すためのもの」 私たちは、関節鏡視下の極めて小さな傷から、コンマ数ミリの精度で靭帯の位置を整えます。そのこだわりが、術後の違和感を減らし、以前と変わらないパフォーマンスの発揮を可能にします。
一度きりの競技人生を悔いなく走り抜けるために。肩の不安を抱えるすべてのアスリートに、科学的根拠に基づいた最高水準の治療を提供します。
担当医師のご紹介
中島 駿(Nakajima Shun)
AR-Ex尾山台整形外科 整形外科医師
日本医科大学附属病院助教や亀田総合病院スポーツ科を経て、現在は肩関節・スポーツ整形外科を中心に、1mmの精度にこだわった鏡視下手術を行っています。また、膝の慢性痛に対する最新のラジオ波治療(Coolief)や再生医療を組み合わせた「切らない治療」の普及にも力を入れています。日本肩関節学会や日本スポーツ整形外科学会等で継続的に研究成果を発表し、常に最新のエビデンスに基づいた最適な医療の提供に努めています。
本記事の関連学会発表・論文:
- 中島駿ほか.「肩関節前方不安定症に対するノットレスDAFF法の短期成績」.『肩関節』2025.
- Nakajima S, et al. “Morphological changes of glenoid after arthroscopic Bankart repair using the DAFF procedure.” JSS 2025.