case
AAGR
この症例の概要
症例サマリー
- 年齢:30代
- 性別:男性
- きっかけ:スノーボード中に転倒
- 診断名:反復性肩関節脱臼
- 実施手術:AAGR+バンカート修復術+Remplissage
- 入院期間:3日
- スポーツ復帰:術後4か月
肩の脱臼とは?
肩はなぜ脱臼しやすい?
- 肩関節は「可動域が広い」反面、「安定性が低い関節」
- ボールと受け皿の関係をイラストで説明
脱臼がクセになる理由
- 初回脱臼で
- 関節唇が剥がれる
- 靭帯が緩む
- → 適切な処置を行わないと関節が緩いままになってしまう
- 2回以上の脱臼で
- 緩んだ靭帯がさらに損傷する
- 関節の受け皿が摩耗し、骨の面積が狭くなる
- 上腕骨の陥没骨折が、関節に噛み込むようになる=脱臼しやすい
この患者さんが困っていたこと
日常・スポーツでの悩み
- 手を地面につくことが不安
- 寝返りで外れる
- 外れた後は痛みがしばらく残る
「脱臼の恐怖心から思いっきりスノーボードできないこと一番つらかった」
検査と診断
実施した検査
- レントゲン

- MRI

- CT


画像でわかる異常
- 剥がれた関節唇(バンカート病変)
- 摩耗した関節窩
- 上腕骨の陥没骨折
医師の一言解説
「肩を安定させる骨の面積が狭く、“縁”が外れている状態です」
なぜ手術が必要だったのか
保存療法では難しかった理由
- 脱臼回数:複数回
- 若年であること
- 生活やスポーツに明らかに支障があること
- 再脱臼リスクが高い
手術を選択した目的
- 脱臼の再発防止
- スポーツへの復帰
- 日常生活での不安解消
手術の内容
手術名
AAGR+バンカート修復術+Remplissage
手術の特徴




手術の流れ
1.腸骨の骨ブロックを採取、人工骨で充填
2.関節鏡を挿入

3.剥がれた関節包を確認
4.アンカーで縫合部位決定

5.骨ブロックの移植・固定
6.剥がれた関節包を固定


7.上腕骨の陥没骨折を充填

8.肩の安定性を確認
手術後の経過とリハビリ
術後の流れ
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 術後〜3週 | 肩を固定 |
| 2週〜 | 肩の筋肉の等尺性トレーニング |
| 4週〜 | 肩の他動運動、介助運動で可動域練習 |
| 6週〜 | 肩の自動運動で可動域練習 |
| 2か月〜 | 日常生活での支障がなくなってくるチューブ等を用いた筋力トレーニング |
| 3か月〜 | 体重をかけた筋力トレーニングウエイトトレーニング |
| 4か月〜 | スポーツ復帰 |
実際の変化
- 脱臼感が消失し、生活での不安が無くなる
- 始めは可動域が狭い→徐々に改善
- 競技の際に不安がなくなり、競技に思いっきり望める
医師からのコメント
肩の脱臼は「一度外れたら仕方ない」と思われがちですが、
適切な手術とリハビリで再発を防ぐことが可能です。
患者さんの競技・生活背景を考えた最速で復帰できる治療を心がけています。