呼吸器内科
長引く咳や息切れは、「年のせい」や「体力不足」と見過ごされがちですが、実は呼吸器の病気が進行しているサインかもしれません。特に慢性的な呼吸のトラブルは、日常生活の質(QOL)を大きく低下させるだけでなく、将来的に生命に関わる重大な全身疾患につながるリスクをはらんでいます。
肩の痛みや不安定感を放置すると悪化や再発を招くことがあるのと同様に、呼吸器の症状も早期対応が何よりも重要です。小さな違和感であっても、「そのうち治る」と諦めずに、まず専門的な診断と適切な治療を受けることが、健康な毎日を取り戻すための第一歩となります。
「呼吸器専門医」による質の高い診断と全身を見据えた治療
専門的な知見を持つ医師が診療にあたることは、患者様にとって大きな安心材料となります。当院の呼吸器内科では、日本呼吸器学会認定の専門医が、最新の科学的根拠に基づいた高度な診療を提供しています。
呼吸器専門医によって治療計画を立てる際は、単に肺や気管支の症状を診るだけでなく、患者様の喫煙歴や生活習慣、さらには心臓や血管の状態といった「全身の健康状態」を総合的に評価し、多角的なアプローチで治療を進めます。例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙と深く関わっており、また睡眠時無呼吸症候群(SAS)は心血管疾患と密接に関連しているため、こうした要因をすべて把握することが大切です。このように全身を見据えた治療こそが、患者様の長期的な健康維持につながる質の高い医療の基盤だと考えています。
当院が特に注力する主要な呼吸器疾患
当院では、特に患者様のQOLと長期的な健康に直結する、以下の疾患に対して専門的な診断と継続的な治療サポートを行います。
慢性的な呼吸器疾患の管理(喘息・COPD)
気管支喘息やCOPDは、単に症状を抑えるだけでなく、病状の悪化を防ぎ、肺機能の低下をいかに遅らせるかが重要です。当院では、患者様一人ひとりの病態に応じた薬物コントロールはもちろん、長期的な発作の予防と、制限のない活動的な生活を維持できるようサポートします。
主要な慢性呼吸器疾患へのアプローチ
| 疾患名 | 当院が重視するポイント | 主な治療内容 |
| 気管支喘息 | 長期的な発作の予防とQOLの維持。自己管理能力の向上。 | 正しい吸入器の使用指導、適切な薬物コントロール、環境因子の調整。 |
| COPD(慢性閉塞性肺疾患) | 早期発見と肺機能の維持。全身合併症のリスク低減。 | 禁煙サポート、薬物療法、活動性を高めるサポート。 |
COPD患者様に対しては、喫煙歴や生活習慣の評価に基づき、病気の進行を止める上で最も重要なステップである禁煙支援を積極的に行います。薬物治療と並行し、生活習慣全体を見直すサポート体制を提供することで、より高い治療効果を目指します。
見過ごせない睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスク管理
いびきや日中の眠気は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な症状ですが、これは単なる睡眠の質の問題に留まりません。無呼吸によって血液中の酸素レベルが夜間に繰り返し低下すると、心臓や血管に強い負荷がかかり続けます。
治療せずに放置すると、高血圧や脳卒中、心筋梗塞といった生命に関わる重大な全身疾患を引き起こすリスクが高まると指摘されています。日中の激しい眠気による生活や仕事への支障を招くだけでなく、将来の深刻な合併症を未然に防ぐためにも、早期の診断と治療が不可欠です。
息切れや活動制限を改善するための包括的なサポート
慢性的な呼吸器疾患の治療では、薬物療法に加えて、息切れの軽減や身体活動性の制限を克服するための専門的なサポートが重要になります。患者様が主体的に病気と向き合い、日常生活の質(QOL)を高めることを主な目的とします。
日常生活の質(QOL)と活動性(ADL)の改善
こうした、息切れや体の動かしにくさ(活動制限)を改善するサポートは、重症COPDだけでなく、喘息、間質性肺疾患(ILD)、肺がん治療後の患者様など、幅広い症状に適応することが知られています。
当院では、患者様の状態に応じた個別のプログラムを通じて、特に以下の具体的なメリットに焦点を当てています。
- 運動能力の向上と息切れの軽減。
- 日常生活動作(ADL)の遂行を容易にし、活動性の範囲を広げる。
- 息切れを気にせず、趣味や外出など活動的な時間を楽しむことを可能にする。
患者様が自宅で継続して身体活動性を維持できるよう、日常生活での運動や活動に関する具体的な指導も重視しています。これにより、一時的な機能回復だけでなく、患者様が長期的に安定した生活を送れるようサポートします。
迅速かつ確実な診断を支える検査体制
適切な治療方針を確立するためには、症状の原因を正確に特定することが不可欠です。当院では、医師の診察に加えて、迅速で包括的な検査体制を整えております。
胸部X線検査(全身リスクチェック)
標準的な胸部X線検査は、肺炎、肺がん、肺繊維症といった肺や気管支の病変を確認するための重要な検査です。この検査により、肺や気管支の状態だけでなく、胸部に隠れた異常がないかを総合的に確認できるため、医師による多角的な評価を迅速に裏付けます。
その他の主要な検査:
- 肺機能検査(スパイロメトリー):肺活量や気道の狭さを測定し、喘息やCOPDの重症度と進行度を客観的に評価します。
- CRP(血液検査):体内の炎症や感染症の有無を迅速に調べます。
このような症状があれば、すぐにご相談ください
以下のいずれかの症状が当てはまる場合は、自己判断せずに早期に医師の診察を受けることを強く推奨します。
- 3週間以上続く、長引く咳が治まらない。
- 以前よりも疲れやすく、階段の上り下りなどで息切れしやすくなった。
- 夜間、咳や息苦しさで目が覚めることが多い。
- 家族から大きないびきや無呼吸を指摘されたり、日中の激しい眠気に襲われる。
- 風邪薬を飲んでも、痰が絡む咳が治らない。
- 喘息の診断を受けているが、症状のコントロールに不安がある。