青山PTによる股関節唇損傷の病態と治療アプローチの勉強会

日時:令和元年8月10日(土)
場所:AR-Ex尾山台整形外科
講師:青山 倫久 理学療法士(錦野クリニック)
内容:股関節唇損傷についての病態と治療アプローチ
     股関節唇損傷術後患者に対する理学療法のデモンストレーション
   (宇都宮医師とディスカッションしながら症例検討しました)


病態
大腿骨頭が求心位を保てずに関節唇・関節軟骨の損傷が生じ、いずれ変形性股関節症に繋がる事があります。
○代表的な症状
  ・深く曲げた時に痛みが生じる
  ・安静にしていても痛みがある
  ・痛みで歩く事が困難になるetc…
○病態と対処法
   ①炎症         →消炎鎮痛剤、関節内注射、局所の安静
   ②関節インピンジメント →リハビリ、運動療法
   ③筋間の滑走障害    →リハビリ、運動療法

 
理学療法評価
・Anterior impingement test
・FABER(Patrick test)
・PM test
・圧痛所見

治療
①スタビリティ:股関節のスタビリティ(安定性)は5つの筋組織によって構成されます。
        前内側 → Iliocapsularis(腸骨関節包筋)
        前上方 → Reflected head of RF(大腿直筋の反回頭)
        上外側 → Gluteus Minimus(小殿筋)
        後上方 → Conjoint tendon(鼠径鎌結合腱)
        後下方 → Obturator Externus(外閉鎖筋)
        以上の筋組織の作用によって大腿骨頭が求心位を保たれる事で安定して股関節を曲げたり、捻ったりする役割を担っています。
        各筋が上手く活動しているかを見極めながら運動療法を進めていきます。

②モビリティ:股関節のモビリティ(可動性)は股関節を含む周囲の組織によって構成されます。
       骨盤帯・胸腰椎の可動性、体幹の安定性によって股関節のモビリティが保たれています。
       筋間の滑走性が改善する様に徒手的に可動性を向上させ、自動でもその可動域をしっかり動かす事が出来るように運動療法を行います。

デモンストレーション
診断名
  両側股関節唇損傷
  右股関節唇損傷は術後7週
  左股関節唇損傷は術後5週

症状
  歩行の左股関節痛・左股関節のつまり感

理学療法評価
  ・Anterior Impingement Test +/+
  ・Patrick Test(FABER Test)+/+
  ・PM Test +/+
  ・圧痛所見 左ASIS、AIIS、Iliocapsularis、大腿直筋、大腿筋膜張筋、小殿筋

歩行分析
  ・円背+、左トレンデレンブルグ兆候+、上肢の振り減少

治療
  ・圧痛部位周囲の筋間滑走性に対するアプローチ
  ・胸椎の伸展・回旋の可動性の改善
  ・股関節インナーマッスルの賦活化


最後に、股関節唇損傷術後の患者様のデモンストレーションを実施し、経過が良好とされている方にご協力いただきました。手術による痛みは軽減していましたが、股関節を深く曲げたり、捻る動作が加わると痛みを訴えていました。筋肉の緊張が高いことも考えられますが、その背景には元々の筋力や姿勢が現在の状態に大きく影響していることも考えられます。痛みそのものを緩和させることも治療の一環ですが、理学療法士としては痛みの原因を解決する事が重要です。


今回、股関節のみならず股関節から起因する全身の運動連鎖について学びました。
スタッフ一同、今後の患者様に良い医療ができるように精進していきます。

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