第32回日本臨床スポーツ医学会学術集会

2021年11月13日~11月14日にWebにて開催された第32回日本臨床スポーツ医学会学術集会において当院理学療法士の池津真大が「野球選手における肘尺側側副靱帯損傷と屈曲回内筋群損傷の関係」,当院理学療法士の山本彩音が「バスケットボールの着地から方向転換動作の生体力学的解析-Virtual Reality(VR )を用いて-」を学術発表いたしました.
 
以下に発表内容とコメントを掲載いたします.

《池津理学療法士》


肘の内側にある肘尺側側副靭帯の損傷(図1)は,野球選手に認められる野球肘の一つです.

図1 野球肘の一つである肘内側の靭帯損傷(肘尺側側副靭帯損傷)
 
肘の内側には,靭帯のみではなく手指や手首を曲げる機能がある筋(屈曲回内筋群)が存在します(図2).近年,肘内側の靭帯損傷には手指や手首を曲げる筋の損傷が合併していることが明らかになってきました.

図2 肘内側の靭帯と手指や手首を曲げる筋

しかし,野球選手における肘内側の靭帯損傷と手指や手首を曲げる筋損傷の関係は十分に明らかにされていませんでした.そこで,今回我々は対象を野球選手に絞り,肘内側の靭帯損傷の重症度と手指や手首を曲げる筋損傷の関係,肘内側の靭帯損傷の部位と手指や手首を曲げる筋損傷の関係を調査しました.
その結果,肘内側の靭帯損傷の重症度と筋損傷には関係がありませんでした.つまり,肘内側の靭帯損傷の重症度が高くても筋損傷を多く合併しているわけではないという事が明らかになりました.一方で,肘内側の靭帯の前腕側の損傷は,上腕側の靭帯損傷と比較して筋損傷が多く合併していることが明らかになりました(図3).

図3 肘尺側側副靭帯の尺骨側の損傷と屈曲回内筋群損傷の関係

本研究結果から,肘内側の靭帯の前腕側の損傷は筋損傷が多く合併している可能性が明らかになりました.そのため,肘内側の靭帯の前腕側の損傷は手指や手首を曲げる筋のストレッチやトレーニングが重要であると考えています.今後も研究を進めて,臨床現場において研鑽をし, 最善のリハビリテーションを提供できるように努力してまいります.

《山本理学療法士》

前十字靭帯(ACL)損傷はスポーツ障害の中でも多く、ジャンプ着地やカッティング動作で受傷すると言われています。ACLの受傷はknee in-toe out(ニーイントゥーアウト)と言われる膝が内に入る姿勢で起こります。
ACL損傷のジャンプ着地時のリスク検出として片脚で高さのある台から飛び降りた後、すぐに最大跳躍を行う「片脚Drop Jump」や[連続垂直飛び]が広く用いられています。
しかし、これらの動作課題は実際の競技場面を再現できず、リハビリ室のような狭い空間では評価することが困難です。
そこで今回、Virtual Reality (VR)を用いた評価を考案し、ジャンプ着地・着地後の動作を分析し従来の評価と比較しました。
その結果、VRの着地後は従来の動作課題に比べてknee in(ニーイン)の姿勢となり、従来の動作課題よりもACL損傷のリスクをより鋭敏に検出できる可能性があることがわかりました。


 本研究の結果から術後、競技復帰へ向けて段階的にリハビリテーションを進めていく際にVRを用いた動作評価を行うことで再受傷のリスクを減らす事ができると考えております。
今後も研究を行い、最善のリハビリテーションを提供できるよう日々努力してまいります。























 
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