投球障害肩(上腕骨近位骨端線離開)

公開日: 2017/05/17
更新日: 2019/12/28
医師
平田 正純

投球障害肩はどのように生じる?

投球障害肩は骨端線閉鎖前の成長期に、繰り返し投球動作を行うことで上腕骨近位の骨端線(図1の丸で囲った部分)に負担がかかり離れてしまいます。好発年齢は10〜15歳と言われています。投球動作の中でボールをリリースするまでにかかる回旋ストレスとフォロースルー以降にかかる牽引力が原因と考えられています。それらの負担を助長する要因として上半身・体幹・下半身の柔軟性低下や筋力低下が挙げられ、「肘が下がる」「踏み出す足がクロスする」など投球動作が乱れることで、骨端線に過度な負担がかかり離れてしまいます。

投球障害肩はどんな症状が出るの?

投球時や日常生活での動作時に肩の広範囲に痛みが生じます。また肩の外側を押すと痛みが生じます(圧痛)。最初は主に投球時の痛みが出現しますが、悪化すると投球していない時でも痛みを感じるようになり、徐々に腕の方にも痛みを感じることがあります。

骨端線とは?

骨端線とは成長期にみられる骨を成長させる部分のことで、力学的に弱い部分です。 図1の丸で囲った部分が骨端線です。               

図.1 上腕骨(二の腕)の骨端線

投球障害肩の診断について

診断は医師の所見と単純レントゲン検査・MRI検査の画像所見から行います。 特に単純レントゲン画像では骨端線部分の開大やズレを認めます。

図2. 正常な骨端線の単純レントゲン画像

図3. 離れてしまった骨端線の単純レントゲン画像

治療について

治療は主に保存療法(安静、リハビリテーション)を行います。肩に回旋力や牽引力がかかることで骨端線が離開してしまうため、そのような負担がかからないように投球や運動を制限する必要があります。約1〜2ヶ月間投球を禁止することで痛みは無くなり投球を再開できるようになると言われています。しかし、柔軟性低下や筋力低下があり投球動作が乱れた状態で投球を再開してしまうと再び骨端線に負担がかかり痛みが出てしまいます。そのため、安静期間はリハビリテーションを行い柔軟性・筋力を改善し、投球時に負担がかからない身体作りをする必要があります。

※当院では肩関節担当医である平田医師が毎週月曜日午後・水曜日午前に診療を行っています。上記症状でお困りの方は一度受診されてみてはいかがでしょうか。

 平田医師の紹介はこちら → 平田医師

2019.12.28 Ver.2 改訂

この記事を書いたスタッフ
医師
平田 正純
肩関節・肘関節の関節鏡視下手術、肩関節外科、スポーツ整形外科を専門とし、志を抱いて大阪からやってまいりました。最新の超音波診断装置(エコー)を用い、運動器傷害の診断だけでなく治療も行います。また近年脚光を浴びている運動器超音波診療の普及に努めています。ベストな治療を提供できるよう日々知識と技術の研鑽に励みます。関西弁で患者さんの社会復帰、スポーツ復帰を応援、サポートする所存です。
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