足関節捻挫(外側靭帯損傷)の対処法とリハビリ
捻挫について 〜たかが捻挫、されど捻挫〜
ここでは捻挫について詳しく紹介していきます。
足首がぐらつく感じがする、不安感がある、捻挫ぐせがある
一番大切なことは「 捻挫が治らないうちに競技復帰しない 」ということです。
捻挫はある程度痛くてもスポーツを行えてしまいますが、足関節不安定症はその結果生じてしまうのです。
なお、受傷時に4歩以上歩ければ骨折の可能性は低いと言われています。
受傷後は重症度・病期に応じた適切な治療を行う必要があります。
捻挫の後遺症は足関節だけではなく、膝や股関節の機能にまで影響を与えます。
そのため、受傷後は足の治療だけでなく全身的な治療アプローチを行っていきます。
RISEとはrest(安静)、icing(冷却)、compression(圧迫)、elevation(挙上)の頭文字をとったものです。
荷重が行えない急性期でも、患部外トレーニングとして股関節周囲の筋力強化を開始します。
捻挫後の代表的な後遺症としてお尻の筋力低下とバランス能力の低下があります。
どちらとも競技復帰後のパフォーマンス、捻挫の再発予防に関わってくるので積極的にトレーニングを行います。
足の指トレーニング
バランスボードを用いたり、目をつぶった状態で行うことで難易度を調節しながら行なっていきます。
また、足関節の安定性を高めるトレーニングも開始していきます。
腓骨筋トレーニング①
腓骨筋トレーニング②
後脛骨筋トレーニング
バランストレーニング①
バランストレーニング②
この時期に大切なのは、安全で効率的な動作を習得することです。
受傷機転に多いジャンプと切り返し動作は競技復帰前に練習をしましょう。
① その場でジャンプ練習
悪い着地動作(足を外側にひねっている)
良い着地動作(母指球での着地)
② 切り返しを伴うダッシュ練習
捻挫は受傷する頻度の高い怪我ですが、ある程度痛みがあっても競技復帰ができてしまうものです。
また「少し捻っただけ」という考え方も多く、後遺症の存在が広く認識されていないのも現状です。
「捻挫」について正しい知識を持つことでより安全で楽しいスポーツライフを送りましょう!
ここでは捻挫について詳しく紹介していきます。
足関節捻挫とは?
足首の外側には「外側靭帯」と呼ばれる靭帯があり、この靭帯は足首を内側に捻る動作(内反動作)で引き伸ばされます。
ジャンプの着地や急激な方向転換の際に強制的に内反方向へ力が加わることで靭帯が引き伸ばされて損傷、断裂してしまいます。
これがいわゆる「捻挫」です。
足首周囲の痛み、腫れ、内出血、体重をかけられないなどの症状があります。
ジャンプの着地や急激な方向転換の際に強制的に内反方向へ力が加わることで靭帯が引き伸ばされて損傷、断裂してしまいます。
これがいわゆる「捻挫」です。
足首周囲の痛み、腫れ、内出血、体重をかけられないなどの症状があります。
足首がぐらつく感じがする、不安感がある、捻挫ぐせがある
〜足関節不安定症について〜
一度傷ついた靭帯はしっかりと治さないと受傷前より強度が低く不完全な状態で回復してしまいます。
(ちなみに靭帯はトレーニングをして強くすることはできません!)
よく「捻挫がクセになる」という言葉を聞いたことはありませんか?
靭帯には関節を安定化させる役割があります。
捻挫をしてから靭帯が完全に治らないうちにトレーニングを開始したり、競技復帰をすることで強度の弱いまま靭帯は回復してしまいます。
その結果、足関節の安定性が低下してしまい捻挫を繰り返してしまうのです。
この状態は 「足関節不安定症」 と言われています。
足関節不安定症になると捻挫ぐせがついたり、競技パフォーマンスが低下します。
また将来的に足の骨が変形するリスクが高まると言われています。(変形性足関節症)
次の項目で当てはまるものはありますか?
(ちなみに靭帯はトレーニングをして強くすることはできません!)
よく「捻挫がクセになる」という言葉を聞いたことはありませんか?
靭帯には関節を安定化させる役割があります。
捻挫をしてから靭帯が完全に治らないうちにトレーニングを開始したり、競技復帰をすることで強度の弱いまま靭帯は回復してしまいます。
その結果、足関節の安定性が低下してしまい捻挫を繰り返してしまうのです。
この状態は 「足関節不安定症」 と言われています。
足関節不安定症になると捻挫ぐせがついたり、競技パフォーマンスが低下します。
また将来的に足の骨が変形するリスクが高まると言われています。(変形性足関節症)
次の項目で当てはまるものはありますか?
足関節不安定症に移行しないためには
捻挫後は固定を行い、足の状態を確認しながらリハビリを実施します。一番大切なことは「 捻挫が治らないうちに競技復帰しない 」ということです。
捻挫はある程度痛くてもスポーツを行えてしまいますが、足関節不安定症はその結果生じてしまうのです。
捻挫が起きてしまったら
レントゲン撮影により骨折の有無を調べますが、足関節捻挫(足関節外側靭帯損傷)の場合は骨に異常は見られません。なお、受傷時に4歩以上歩ければ骨折の可能性は低いと言われています。
受傷後は重症度・病期に応じた適切な治療を行う必要があります。
重症度 | 関節動揺性 | 主な治療法 | およその治療期間 |
---|---|---|---|
Ⅰ度 (軽度) |
なし | RICE処置 足部・お尻のトレーニング |
2週間前後 |
Ⅱ度 (中等度) |
あり | サポーター固定 RICE処置、物理療法 足部・お尻のトレーニング |
2~3ヶ月 |
Ⅲ度 (重度) |
かなりあり | ギプス固定+松葉杖 RICE処置、物理療法 足部・お尻のトレーニング |
3ヶ月以上 |
そのため、受傷後は足の治療だけでなく全身的な治療アプローチを行っていきます。
捻挫後のリハビリ
受傷から1-2週間(急性期)
急性期に行う処置として「RICE」が一般的です。RISEとはrest(安静)、icing(冷却)、compression(圧迫)、elevation(挙上)の頭文字をとったものです。
荷重が行えない急性期でも、患部外トレーニングとして股関節周囲の筋力強化を開始します。
捻挫後の代表的な後遺症としてお尻の筋力低下とバランス能力の低下があります。
どちらとも競技復帰後のパフォーマンス、捻挫の再発予防に関わってくるので積極的にトレーニングを行います。
RICE処置
- 図のように患部を冷やしながら(icing)、弾性包帯などで圧迫(compression)をします。
- さらに台や椅子などを使って足を上げて(elevation)、安静(rest)にします。
お尻の筋肉トレーニング
- 横向きに寝た状態で脚上げを行います。
- この時に「膝を伸ばす」「脚は後ろに引く」ことを意識します。
- ※腰が反らないように注意
足の指トレーニング
- 足の指を使ってタオルをたぐり寄せます。
- 足の指の力は踏ん張る力やバランス機能に影響します。
- この時に膝を伸ばして行うと、より負荷を高めることができます。
受傷後2週間〜(痛みが引いてきた時期)
足を引きずったりしないで歩けること、足の腫れや痛みが軽減したらバランストレーニングを行なっていきます。バランスボードを用いたり、目をつぶった状態で行うことで難易度を調節しながら行なっていきます。
また、足関節の安定性を高めるトレーニングも開始していきます。
腓骨筋トレーニング①
- つま先にチューブをくくります。
- 両手でチューブを引っ張り母指球で蹴るように動かします。
腓骨筋トレーニング②
- 両足にチューブを巻きます。
- 足の裏を外側に向けるように動かします。
後脛骨筋トレーニング
- つま先にチューブをくくります。
- 足の裏を天井に向けるように動かします。
バランストレーニング①
- 図のようにバランスクッションを使ってトレーニングを行います。
- また目をつぶって行うなど難易度も調節していきます。
- サポーターやテーピングをしながらでも可
バランストレーニング②
- 片足で立った状態のまま脚を後ろに、手を前に伸ばします。
- 片足の状態で体を動かすことでバランス能力を養います。
- サポーターやテーピングをしながらでも可
受傷後3-4週~(競技復帰に向けて)
中期のバランストレーニングを行なっても、足の腫れや痛みが生じず、体幹・股関節機能も十分に回復している場合は、競技復帰へ向けたリハビリに移行していきます。この時期に大切なのは、安全で効率的な動作を習得することです。
受傷機転に多いジャンプと切り返し動作は競技復帰前に練習をしましょう。
① その場でジャンプ練習
悪い着地動作(足を外側にひねっている)
良い着地動作(母指球での着地)
悪い切り返し(右足の重心が外側にある)
良い切り返し(母指球で切り返せている)
また「少し捻っただけ」という考え方も多く、後遺症の存在が広く認識されていないのも現状です。
「捻挫」について正しい知識を持つことでより安全で楽しいスポーツライフを送りましょう!