股関節臼蓋形成不全の治療法

股関節臼蓋形成不全とは
症状
画像・診断
治療
1. 痛みが強い時期
2. 痛みが落ち着いたら
股関節臼蓋形成不全に適応する運動
1. ストレッチ
2. トレーニング

股関節臼蓋形成不全とは

股関節は立った時に骨盤から大腿骨に荷重を伝えるための関節で、骨盤の骨でつくられる「臼蓋」と太ももの骨である「骨頭」で構成されます。

股関節は臼蓋が骨頭を広い面積で覆っている方が安定しますが、臼蓋形成不全は骨頭を覆う臼蓋の面積が狭く、股関節が不安定であることを指します。つまり、股関節にかかる体重を伝達する部分の面積が狭いため、関節にかかる負担が大きくなり軟骨が傷みやすくなります。すると股関節の動く範囲が狭くなったり、関節唇と呼ばれる軟骨を損傷し激しい痛みが出現します。また、この状態が継続されることで、将来的に軟骨がすり減るなどして 変形性股関節症 へと移行していきます。

日本では中高年女性の変形性股関節症の約80％は臼蓋形成不全が原因と言われています。

症状

歩行時の脚の付け根の痛み・違和感
足の爪切りや靴下の脱ぎ履きの際の痛み
股関節の動きが悪い

などがあります。ただし、臼蓋形成不全であっても症状が出ないことがあります。

画像・診断

Sharp角・CE角・VCA角などレントゲン撮影による判定基準があり、臼蓋形成不全に特徴的な所見がみられます。
そのため、レントゲン撮影は必須です。

治療

臼蓋形成不全があっても軟骨の厚みがあるうちは症状がほとんど出現しません。しかし、軟骨は少しづつ傷むため症状が軽い初期段階で変形性股関節症の進行予防を目的とした治療が必要です。

痛みが強い時期

何もしなくても痛みがある場合や痛くて眠れない場合は炎症が強い時期です。主に炎症を抑えることを目的に内服や注射をしたり、リハビリテーション・消炎処置・日常生活などでの姿勢や動作の指導、物理療法などを行います。炎症を早く抑えることで、動かさない期間を短くし、関節が硬くなってしまったり、筋力が低下したりするのを予防することが大切です。