メディカルスタッフのための股関節鏡セミナー参加報告
京都で開催されたメディカルスタッフのための股関節鏡セミナーに参加してきました。
期日:2017年4月29日(土)
会場:京都リサーチパーク サイエンスホール
テーマ:股関節鏡視下手術適応症例の病態を理解する
~最新の股関節鏡視下手術と保存療法・術後療法の考え方~
参加者:山﨑文太 長沼立 秋篠薫 玉寄翔太 鶴見京子
本セミナーでは最新の股関節鏡視下術適応の診断~治療までを学びました。FAI(Femoroacetabular Impingement)は、股関節を深く曲げた際に骨と骨が衝突し、関節軟骨の損傷を引き起こす病態で、サッカー選手などに多くみられます。レントゲン画像では、大腿骨側、骨盤側、またはその両方の骨に形態異常がみられる3タイプがあり、これら画像診断と症状を踏まえた上で、約3ヶ月間の保存療法で症状が改善しない場合は手術を検討します。
FAIにおける股関節唇損傷は、インナーマッスル*1の低下に伴うアウターマッスル*2の過活動により、脊椎・骨盤の動きや安定性が低下した結果、股関節に加わる負荷が増大し生じます。そのため保存療法や術後療法においても股関節のみに着目するのではなく、骨盤・体幹も含めたアプローチが必要となります。
*¹身体の深部にある比較的小さな筋肉。関節を保護し、安定させる役割
*2身体の表層にある大きな筋肉。関節を動かす役割
以下が本セミナーで紹介された股関節疾患を有している方のトレーニング方法の一部です。
【Hand-Knee】
四つ這いの姿勢から、対角の手足を一直線になるように伸ばし、その姿勢を保ちます。
【SideBridge + Hip abduction 】
横向きの姿勢で肘と膝で身体を持ち上げ、さらに上方の足を開き、その姿勢を保ちます。
四肢を動かした際に体幹がぶれないよう注意して行います。
【バランスボールを用いた片脚ブリッジ】
ボールの上で片脚によるおしり上げを行い、その姿勢を保ちます。
【片脚立位】
不安定な環境下で片足立ちを行い、その姿勢を保ちます。
バランスを保つため全身の協調性が必要となります。
今回の研修で学んだ知識を今後の治療に活かし、患者さんの力になれればと思っています。