JOSKAS-JOSSM2022 参加報告

【JOSKAS-JOSSM2022の参加報告】2022年6月16~18日に札幌コンベンションセンターで開催されたJOSKAS-JOSSM2022において明大前整形外科クリニック理学療法士の金子史弥と佐久平整形外科クリニック理学療法士の依田好平が現地にて学術発表をいたしました。



以下に発表内容とコメントを掲載致します。

 金子理学療法士からのコメントです。
今回の演題名は「Posterior tibial artery blood flow velocity is increased in patients with Plantar Heel Pain」です。足底部痛を抱える人の足の動脈の血流速度は足底部痛のない人と比べると高値を示しているという研究内容を発表しました。足底部痛は成人の10%が生涯のうちに罹患する疾患とされています。しかし、その病態については十分明らかにされておりません。過去の報告では、腰痛・肩痛・膝痛を抱える方において血流速度の増大が痛みと関連があることが明らかにされています。そこで本研究は足底部痛を抱える患者において血流速度を測定することを目的としました。結果は前述したとおり足底部痛を抱える人の足の動脈の血流速度は足底部痛のない人と比べると高値を示していることが分かりました。本研究はその病態の理解を進め、治療の発展に役立つものになると考えております。発表後は多くの医師の先生から質問を頂き、様々なディスカッションを行うことができました。今後は頂いた意見を基にさらなる研究成果を出せるように精進したいと思います。この研究を行うにあたりご協力いただいた患者様をはじめスタッフの皆様、また研究指導を頂きました森ノ宮医療大学工藤慎太郎先生にこの場をお借りして深謝申し上げます。



依田理学療法士からのコメントです。
 今回の演題名は「サイレントマニピュレーション3ヵ月後の肩関節屈曲可動域に影響を及ぼす肩関節可動域の特徴」でした。
 サイレントマニピュレーションは拘縮肩や凍結肩と呼ばれる肩の可動域制限を呈する疾患に対して有効な治療といわれています。拘縮肩や凍結肩は関節を包んでいる膜(関節包)が硬くなってしまう疾患でリハビリを中心とした保存療法に抵抗することも少なくありません。保存療法で改善が乏しい場合、関節包の硬さを取り除く治療が必要になります。関節包の硬さを改善する方法は、以前まで入院をして全身麻酔を行い手術するというのが一般的でした。しかし、近年では、局所麻酔かつ外来で、この関節包を破断するという治療ができるようになりました。この治療が「サイレントマニピュレーション」と呼ばれています。従来の手術と同程度の治療成績を得ることができ、患者さんへの負担も少ないことから近年注目されてきている治療のひとつになります。
 今回私は、“サイレントマニピュレーション後のリハビリでは施行後3ヵ月以内に積極的な可動域訓練が必要である”という報告をしました。サイレントマニピュレーションを行った後でも、可動域が再度低下しないようリハビリが必要になるのですが、今回の調査で施行後どのくらいの期間が長期的な予後に関連するか、リハビリではどの組織に対して治療を積極的に行っていくべきかということがわかりました。
 
今後も臨床研究を継続し、よりよい肩の治療を提供できるよう努めてまいります。
 
この研究を行うにあたりご協力いただいた患者様をはじめスタッフの皆様、また研究指導を頂きました森ノ宮医療大学工藤慎太郎先生にこの場をお借りして深謝申し上げます。

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長野県佐久市岩村田1311-7
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