第19回 日本肩の運動機能研究会 参加報告

2022/11/02
理学療法士
依田 好平

2022年10月7、8日にパシフィコ横浜で開催された第19回肩の運動機能研究会で佐久平整形外科クリニック理学療法士の依田好平が現地にて学術発表をいたしました。



以下に発表内容とコメントを掲載致します。


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今回の演題名は「サイレントマニピュレーション後可動域の推移が予後に及ぼす影響」でした。

サイレントマニピュレーションは拘縮肩や凍結肩と呼ばれる肩の可動域制限を呈する疾患に対して有効な治療といわれています。拘縮肩や凍結肩は関節を包んでいる膜(関節包)が硬くなってしまう疾患でリハビリを中心とした保存療法に抵抗することも少なくありません。保存療法で改善が乏しい場合、関節包の硬さを取り除く治療が必要になります。関節包の硬さを改善する方法は、以前まで入院をして全身麻酔を行い手術するというのが一般的でした。しかし、近年では、局所麻酔かつ外来で、この関節包を破断するという治療ができるようになりました。この治療が「サイレントマニピュレーション」と呼ばれています。従来の手術と同程度の治療成績を得ることができ、患者さんへの負担も少ないことから近年注目されてきている治療のひとつになります。 以前私は“サイレントマニピュレーション後のリハビリでは施行後3ヵ月以内に積極的な可動域訓練が必要である”という報告をしました。しかし、どの程度の可動域が必要なのかはわかっておりませんでした。

今回私は、サイレントマニピュレーション後3ヶ月で肩関節屈曲150°以上の可動域を獲得するためには1~2ヶ月時点で具体的にはどのくらい可動域が必要なのか”という報告をしました。発表の会場では、多くの先生に質問やご意見をいただき、またディスカッションをすることができました。 

今後も臨床研究を継続し、よりよい肩の治療を提供できるよう努めてまいります。 

この研究を行うにあたりご協力いただいた患者様をはじめスタッフの皆様、また研究指導を頂きました森ノ宮医療大学工藤慎太郎先生にこの場をお借りして深謝申し上げます。
この記事を書いたスタッフ
理学療法士
依田 好平
理学療法士の依田 好平(よだ こうへい)と申します。
お一人おひとりの病態にあった治療法を提供できるよう日々研鑽しております。
スポーツ障害に悩む学生から日常生活でお困りの高齢者の方まで、今ある身体をより良いものにできるよう、ぜひ一緒に頑張ってきましょう!