第30回整形外科超音波学会参加報告
7月7(土)~8日(日)に山形国際ホテルで開催された第30回日本整形外科超音波学会において「超音波画像診断装置を用いたMedial tibial stress syndromeの疼痛要因筋群について」という演題名で口述発表を行いました。
Medial tibial stress syndrome(脛骨内側部痛)は一般的に「シンスプリント」と呼ばれており、ランニングやジャンプを多用するスポーツを行っている中高生に発症します。
この疾患の病態は分かっていないことが多くあります。
患者さんは脛骨(すねの骨)の内側に痛みを訴えますが、すねの内側には複数の筋肉が存在しています。
どの筋肉が痛みの要因になっているか、痛みのある症例で検証は行われていません。
今回の研究では、痛みの要因になっている筋肉を超音波画像で特定し検証しました。
研究結果から長趾屈筋(足の指を曲げる筋肉)が最も多く痛みの要因になっていることが分かりました。
また、Medial tibial stress syndromeの既往がある人を対象とした研究でランニング後に長趾屈筋が硬くなるということが分かっており、このことから長趾屈筋が痛みに関与している可能性が高いと考えます。
今後は、なぜ長趾屈筋が痛みの要因になるのか身体機能面からの検証を行い、障害予防や治療につなげていきたいと考えます。
今後も研究を継続し患者さんの治療に還元していきたいと思います。