1mmの精度にこだわる「ACL再建術」:再断裂を防ぎ、早期復帰へ

スポーツ選手にとって、前十字靭帯(ACL)の断裂は競技人生を左右する大きな怪我です。しかし、適切な手術とリハビリテーションを行えば、再びトップレベルのパフォーマンスを取り戻すことは十分に可能です。

明石医師が最も大切にしているのは、手術における「1mmの精度」です。なぜ1mmの差がそれほど重要なのか、その理由と専門医としてのこだわりをご紹介します。

1mmのズレが膝の運命を左右する

ACL再建術とは、切れてしまった靭帯の代わりに自分の他の腱(移植腱)を使って、新しい靭帯を作り直す手術です。この際、骨に「骨孔(こっこう)」というトンネルを掘って腱を通しますが、この穴の位置が極めて重要です。

  • 機能への影響: 骨孔の位置がわずか1mmずれるだけで、膝の曲げ伸ばしのスムーズさや、回転に対する安定性が損なわれてしまいます。
  • 再断裂の防止: 正しい位置に靭帯が再建されないと、新しい靭帯に過度な負担がかかり、再び断裂してしまうリスクが高まります。
  • 早期回復: 理想的な位置への再建は、術後の腫れを抑え、リハビリを円滑に進めるための大前提となります。

「Outside-in法」による精密な骨孔作成

骨孔をより正確な位置に作成するために採用しているのが、「Outside-in法」という手法です。

この手法は、関節の外側から内側に向かって精密に位置を狙うもので、術者の視認性が良く、再現性が高いのが特徴です。これにより、専門医レベルの極めて高い精度を安定して達成することが可能となります。

また、手術後には三次元CT(3DCT)撮影を行い、ミリ単位で骨孔の位置を検証しています。客観的な数値に基づいて、常に手術クオリティの向上に努めています。

一人ひとりに最適な「移植腱」の選択

靭帯の代わりとなる「腱」の選び方も、復帰への重要なポイントです。患者さんの年齢、競技種目、活動レベルに合わせて、以下の選択肢から最適なものを提案します。

  • ハムストリング腱: 柔軟性が高く、採取した部位の痛みが少ないのが特徴です。
  • 膝蓋腱(BTB): 強度が高く、骨同士で固定するため非常に強固な仕上がりになります。
  • 大腿四頭筋腱: 太くしっかりした腱を採取でき、近年のスポーツ医学で注目されている選択肢です。

再断裂のリスクを見逃さない徹底した評価

「手術をして終わり」ではありません。当院では、再断裂を防ぐために個々のリスク要因を徹底的に分析します。

  • 解剖学的リスクの確認: 脛骨の傾き(チビア・スロープ)や膝の緩さ(過伸展)などを事前に評価します。
  • 競技特性の考慮: 特に10代のアスリートや、ピボット(急な方向転換)が多い競技特性を考慮し、必要に応じて再断裂リスクを下げるための追加処置(LEAPsなど)も検討します。

治療を受ける方へ

ACL損傷からの回復は、膝に信頼感を取り戻すための大切な「再出発」です。当院では、継承されてきた「1mmへのこだわり」を基盤に、科学的な裏付けを持った質の高い治療を提供いたします。

再び全力でスポーツを楽しめる日を目指して、私たちは一人ひとりの目標に寄り添い、復帰までの道のりを全力でサポートいたします。

担当医師のご紹介

明石 裕貴(Akashi Yuki)

AR-Ex尾山台整形外科 整形外科医師

平成26年より医師としてのキャリアをスタート。自身もバスケットボール競技中に膝を負傷し、手術と復帰を経験したことから、常に「患者様の目線」を大切にした診療を行っています。Bリーグ「信州ブレイブウォリアーズ」のチームドクターや日本バスケットボール協会スポーツ医学委員を歴任。膝・肩・足関節のスポーツ外傷を専門とし、恩師から継承した「1mmの精度」にこだわる術式で、多くのアスリートの再起を支えています。

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