足関節の手術・術前リハビリテーションの重要性について

2023/04/01
#足関節
理学療法士
青柳 努

足の手術ってなにがあるの?

靭帯縫合術
捻挫をした際に最も損傷しやすい前距腓靭帯(図a)の縫合術が一般的です。まれに内側の靭帯縫合などもおこないます。
遊離体摘出術
バレエダンサーやサッカー選手に多い三角骨障害(図b)や、靭帯を損傷した際に生じる外側のくるぶしの裂離骨折部(図c)の摘出もまれにおこないます。
また足関節の不安定性に伴う軟骨の損傷により生じた遊離軟骨片の摘出も含みます。
すべてが外傷を機転とし起きるわけではなく、特定のスポーツ動作の繰り返しで生じることも多くあります。
滑膜切除
足関節の度重なる捻挫や不安定性によって生じた炎症による滑膜増生部分の切除です。
その他
軟骨柱移植、骨棘切除などがあります。


【図a:前距腓靭帯損傷、b:三角骨、c:外果裂離骨折部の遊離体】 

入院期間はどのくらい?費用はどのくらいかかるの?

日数
3泊4日または4泊5日の入院期間です。(手術内容によって異なります。)
手術費用の概算
手術内容によって異なります。
詳細は「手術・入院費用 | AR-Ex 尾山台整形外科」のページをご参照ください。

手術前のリハビリって必要なの?なにをするの?

術前リハビリの重要性について
靭帯の損傷や軟骨の損傷、骨の変形や関節内の遊離体の多くは外傷(足関節の捻挫など)によって生じます。足関節捻挫は再発率が高く、捻挫の後遺症により痛みや動きの制限、筋力低下や固有受容感覚の低下、筋の反応遅延などが生じます。それらの機能障害をそのままにしてスポーツに復帰すると更に捻挫の再発リスクが高まり、軟骨の損傷や関節の変形、慢性的な足関節不安定性へとつながります(図d参照)。


【図d】

つまり、手術によって構造が修復されたとしてもリハビリによって機能を改善しないことには復帰後に再受傷してしまうリスクがあるということです。また、手術による腫れや活動量の低下、傷の癒着によっても機能は低下するため、手術前に十分にリハビリをおこない、できるだけ高い機能のまま手術をすることが重要です。

術前・術後リハビリの内容、運動復帰までの運動強度の上げ方を知りたい方はこちらのページをご参照ください。
この記事を書いたスタッフ
理学療法士
青柳 努
はじめまして長野県出身の理学療法士、青柳努(あおやぎつとむ)です。
足関節、足部に興味があり超音波を用いた研究をしています。
多くの患者さんにより良いものを提供できるように精進して参ります。
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