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モヤモヤ血管治療 動注治療

長引く痛みの根本原因へのアプローチ

膝や肩、肘、足底など、体の慢性的な痛みに悩まされ、「様々な治療を試したが改善しない」という方は少なくありません。従来の保存療法(内服薬、一般的な注射、理学療法)で効果が得られない場合、痛みの根本的な原因が従来の検査や治療では捉えきれないところにある可能性があります。

「モヤモヤ血管」と神経の関係性

近年の研究の進展により、慢性的な痛みが続く患部には、非常に細かく微細で異常な血管が増殖していることが明らかになっています。これが「モヤモヤ血管」と呼ばれるものです。このモヤモヤ血管は単に血液を通すだけでなく、周囲に痛みを伝える役割を持つ異常な神経を一緒に引き連れて増えてしまうことがわかってきました。

この現象こそが、長引く慢性疼痛の根本的な原因の一つと考えられています。痛みに対して表面的なアプローチを続けるのではなく、この異常な血管と神経の増殖という病態に直接働きかけることが、痛みの連鎖を断ち切る鍵となります。

動注治療(カテーテル治療)の仕組みと特長

動注治療は、慢性疼痛の原因となっている「モヤモヤ血管」をターゲットとし、体の負担を最小限に抑えながら痛みを軽減させる、新しい治療法です。

異常な血管を減らす治療メカニズム

動注治療では、非常に細い針またはカテーテルを用いて、モヤモヤ血管に対して近くの動脈から抗生物質の粒子を含んだ薬剤を慎重に注入し、不要なモヤモヤ血管を減少させます。血管が減少すると、それに伴い周囲に増えていた異常な神経も減少し、結果として慢性的な痛みが軽減します。この不要な新生血管の閉塞により、早期での除痛効果が期待できます。

痛みと負担を抑えた治療へのこだわり

動注治療は、患者様の体への負担が少ないことが特長です。この治療に用いられる針は、一般的な採血に使用される針よりもさらに細いものが多いため、治療中の痛みはほとんどありません。カテーテルを使用する場合でも、局所麻酔を用いるため、全体として非常に低侵襲の治療を実現しています。

当グループは、低侵襲で高精度な治療を追求しています。この動注治療の成功には、超音波検査(エコー)の画像検査によって、異常なモヤモヤ血管の位置や状態を客観的に観察し、正確に診断することが極めて重要となります。

治療の流れと利便性

動注治療は、外来で完結する日帰り治療であり、治療自体も約5分程度と短時間で済みます。

  1. 診察室にて、局所麻酔をしたうえで、血流を一時的に止める(駆血)処置を行います。
  2. 痛みが近い動脈に、注射針または点滴用チューブを挿入します。
  3. 抗生物質を溶かした薬液を注入します。
  4. 止血のため、5分ほど患部を圧迫して終了します。

動注治療が対象とする主な症状・疾患

動注治療は、身体の様々な部位に生じる慢性の痛みに対して適用されます。特に、以下の疾患や症状で従来の治療で効果が見られなかった方に有効です。

  • 手の関節症:ヘバーデン結節、ブシャール結節、母指CM関節症など
  • 肘の痛み:テニス肘、ゴルフ肘などの上腕骨上顆炎
  • 膝の痛み膝蓋腱炎
  • 足の痛み:アキレス腱炎、足底腱膜炎
  • その他:薬物療法やリハビリテーションなど、一般的な治療では改善しなかった全身の慢性疼痛

動注治療による改善効果の実績

動注治療は、慢性的な痛みの軽減において客観的な実績が報告されており、患者様の生活の質の向上に貢献しています。

国内で実施された治療効果の調査では、動注治療を受けた患者様の84.5%が治療後3ヶ月の時点で痛みの改善を実感し、その効果は長期的に持続する傾向が見られます。治療後12ヶ月の時点でも、75.0%の患者様が改善効果を維持しているという結果が示されています。

また、国際的な研究でもその有効性が確認されています。例えば、慢性アキレス腱炎の患者様に対するカテーテル治療では、治療後6ヶ月の時点で痛みスコアが大幅に改善し、86%という高い臨床成功率が報告されています。

コンビネーション治療による回復事例

動注治療は、当グループが提供する多様な治療法の一つです。痛みの原因や患者様の生活背景に応じて、他の治療法と組み合わせることで、より高い効果を目指します。

例えば、アキレス腱の慢性疼痛に対し、動注治療で異常な血管と神経の活動を抑えた後、体外衝撃波治療を組み合わせることで、頑固な痛みを完全に消失させ、ランニングやマラソン大会完走レベルまでの早期の活動復帰を達成した事例があります。当グループでは、診断から治療計画、リハビリテーションまで一貫した多角的なアプローチで、患者様の「完全復帰」を追求します。

治療後の完全復帰に向けたトータルサポート

動注治療による痛みの軽減は、完全復帰に向けたスタート地点です。慢性疼痛の原因である身体機能の低下をそのままにすると再発のリスクがあるため、当グループは治療(A)、リハビリテーション(R)、運動療法(Ex)の連携により、再発予防と活動レベルの完全復帰をトータルでサポートします。

精密なリハビリテーション

知識と精密な計測に基づき、個々の病態に合わせた最適なプログラムを作成・実施します。超音波診断装置(エコー)を活用し、治療部位の状態を可視化することで、より正確で根拠のある指導を提供し、機能回復を効率的に目指します。

再発予防と活動レベルの回復を導く運動療法

再発予防のため、理学療法士に加えトレーナーやアスレティックトレーナーが在籍し連携します。医師・理学療法士とトレーナーが連携し、痛みの原因となった身体機能の低下を改善するトレーニングを科学的根拠に基づき実施します。これにより、スポーツ復帰、競技力向上、健康維持など、目的に合わせた身体づくりを完全にサポートします。

動注治療に関する留意事項

副作用について

薬剤注入時に皮膚の変色、痛み、違和感が生じることがありますが、多くは数十分から数時間で改善する一過性のものです。稀に末梢の皮膚の色調変化や皮下出血が2~3週間続くことがありますが、自然に解消されます。 また、使用する抗生物質に対するアレルギー反応(蕁麻疹や吐き気、ショックなど)が生じる可能性があり、治療を要するケースは0.4%とされています。

治療を受けられない方

安全のため、以下の項目に該当する方は治療を受けていただくことができません。

  • 血液をサラサラにするお薬(抗血栓薬)を服用されている方
  • 抗生物質(カルバペネム系抗生物質製剤)にアレルギーのある方

受診をおすすめするケース

以下のような症状や状況にお心当たりのある方は、ぜひ一度、動注治療の専門外来にご相談ください。

  • 数ヶ月以上、膝、肘、肩、手、足などの慢性的な痛みが続いている方
  • 一般的な消炎鎮痛剤やヒアルロン酸注射、通常の理学療法では改善が見られなかった方
  • 画像診断で明らかな重度の損傷は見られないにも関わらず、痛みが続く方
  • 手術には抵抗があるが、低侵襲で痛みの根本原因にアプローチする治療を求めている方

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